なぜなぜ分析テンプレート
無料のなぜなぜ分析テンプレートを使って、問題や課題の根本的なコンセプトや問題を分析し、理解できるようにしましょう。コンセプトや問題を深く理解することで、クリエイティブな解決策や戦略を策定することができるようになります。
なぜなぜ分析テンプレートについて
なぜなぜ分析テンプレートは、ある問題が「なぜ」発生したのかを分析し、その問題の根本となる原因を特定することに役立つテンプレートです。問題を事前に特定することにより、議論の焦点を明確化することができ、チームでより効果的な結論や解決策を導き出すことができます。
また、テンプレート内になぜなぜ分析に必要な要素がすべて含まれているため、あっという間になぜなぜ分析を完了することができます。
なぜなぜ分析とは
なぜなぜ分析は、問題の根本的な原因を効率的に特定するためのブレインストーミング手法の1つです。アプローチは非常にシンプルなものであり、特定の問題やコンセプトに対して「なぜ?」を問い続け、直接的な原因だけではなく、目に見えない根本的な原因を発見することができるようになります。一般的ななぜなぜ分析では「なぜ?」を5 回繰り返し質問し続け、根本的な問題の特定を行います。
以下でなぜなぜ分析やテンプレートの詳細について見ていきましょう。
なぜなぜ分析のメリット
なぜなぜ分析のフレームワークがあれば、集中して議論できるため、他のトピックに気を逸らされることがありません。まずは問題ステートメントから始めます。なぜ問題が存在するのかについて検討し、それぞれの問題点を洗い出し、行動に移せる真の問題点にたどり着くようにします。「なぜ」の問いかけが、必ずしも 5 回必要なわけではありません。満足のいく結論が出るまでアクティビティを繰り返しましょう。
なぜなぜ分析の事例とやり方
ここでは、チームが新しいアプリを開発し発売しようとしているというシナリオについて考えてみましょう。期限通りのリリースを予定していましたが、最終的に 2 日間の遅れが発生してしまいました。
なぜなぜ分析を使用してこの事例において、問題が起こった理由や、今後同じような問題の再発を防止するためにどんな施策を講じることができるのか見ていきましょう。
1. 可能な限り幅広い質問をして、それに答えてみましょう。
例:なぜアプリのリリースに遅れが生じたのですか?
→ 開発プロセスに遅延が生じたのでリリースが遅れました。
2. 上記の回答から、焦点を絞っていきましょう。
例:なぜ発売プロセスに遅延が生じたのですか?
→ リリース日前に突然エンジニアチームでパッチの追加作業が発生しましたが、製品チームに追加作業についてリリース日まで共有がなかったため、発売プロセスに遅れが生じました。
3. さらに「なぜ」共有が遅れたのか見ていきましょう。
例:なぜ製品チームはパッチ追加作業について知らなかったのですか?→ エンジニアチームがパッチについての情報を製品チームに共有しなかっため製品チームはパッチについて知りませんでした。
4. どんどん「なぜ」を究明していきましょう。
例:なぜエンジニアチームは、製品チームに情報を共有しなかったのですか?
→ エンジニアチームに情報や進捗の共有方法が伝えられていなかったため、製品チームとコミュニケーションを取ることができませんでした。
5. 最後にもう一度質問をして、解決策に狙いをつけましょう。
例:なぜエンジニアチームは、製品チームとコミュニケーションを取る方法を知らなかったのですか?
→ 製品チームに明確な連絡窓口がないため、エンジニアチームは製品チームとコミュニケーションを取る方法がわかりませんでした。
ここでの事例のように「なぜなぜ分析」を使用して「なぜ?」を質問し続けることで、発生している問題の根本的な原因を究明し、今後の改善策や解決策を策定することが可能になります。
なぜなぜ分析を効果的に行うための5つのコツ
取り組む問題の明確化
客観的な分析
各「なぜ?」を個々に分析する(すべてまとめて分析しない)
事象の連鎖で分析を行う
コントロール可能な範囲で分析を行う
1. 取り組む問題の明確化
取り組む問題の明確化は、なぜなぜ分析において重要なコアとなる要素です。問題が明確になっていない場合、「なぜ?」を追求するための質問もあいまいであったり、抽象的なものになってしまいます。
例えば、上記の「アプリのリリース日の遅延」という事例での問題を見たときに、「なぜリリース日に遅延が生じてしまったのか?」というように問題を明確化します。
2. 客観的な分析
なぜなぜ分析を個人的な感情や先入観、思い込みで行うことを避け、完全な客観的な視点から分析を行うようにしましょう。
例えば、上記の「なぜエンジニアチームは、製品チームに情報を共有しなかったのですか?」事例において「エンジニアチームに責任感がなかった」という感情的な回答ではなく「このような事象に対するマニュアルや指示が伝達されていなかった」という事実をもとにした客観的な分析回答を出せるようにしましょう。
3. 各「なぜ?」を個々に分析する(すべてまとめて分析しない)
「なぜ?」から出た回答を統合的に分析した場合、特定できる問題が抽象的なものだけになってしまい、根本的な解決策や改善方法を見つけることができなくなってしまいます。「なぜ?」の質問で抽出した個々の問題ごとに焦点を当てていき、ミクロレベルでの問題解決を行えるようにしましょう。
4. 事象の連鎖で分析を行う
なぜなぜ分析で質問する事象に関連性を持たせましょう。上記の事例では「なぜアプリのリリースに遅れが生じたのですか?」→ 「なぜ発売プロセスに遅延が生じたのですか?」→ 「なぜ製品チームはパッチ追加作業について知らなかったのですか?」のように製品チームとエンジニアチームに発生したコミュニケーション問題に関連した質問に対しての分析を行なっています。
5. コントロール可能な範囲で分析を行う
なぜなぜ分析で事象や問題の分析を行う場合は、個人や部署の範囲で対応できる範囲の事象や問題のレベルで分析を行いましょう。「なぜ?」を聞き続けた際には、時々、現実的でないアイデアが出てしますこともしばしばあります。
上記の事例において「なぜエンジニアチームは、製品チームとコミュニケーションを取る方法を知らなかったのですか?」という質問に対して「会社がコミュニケーションツールを導入していないため、部署間でのコミュニケーションが取れなかった」という回答を出してしまうと、「その会社がコミュニケーションツールを導入しない理由」が問題となり、リリース日が遅れた根本的な原因を追求することができなくなってしまいます。
なぜなぜ分析テンプレートと特性要因図
企業やビジネス分野、チームに至るまでニーズにあった手法を発見することは迅速な問題解決や解決手段の改善において重要なことです。
なぜなぜ分析テンプレートは、1つの事象で発生している個々の問題に焦点を当てることに力を発揮しますが、特性要因図(フィッシュボーン図)も問題の根本的な原因を追求する時に非常に役立つツールとなっています。
どちらの問題解決法も、多くの業界で広く採用されていますが、どちらを活用しようかと決めかねている場合「ある問題の根本原因を特定しようとしているのか vs. 現在の事象を引き起こした、すべての選択肢について分析するのか」を自問してみましょう。
Miro のなぜなぜ分析テンプレートの活用方法
Miro のなぜなぜ分析テンプレートは、この手法についてよく知らない人でも、手順を追って使用できるようにフォーマット化されています。そのため、誰でも簡単に素早くなぜなぜ分析を行うことができます。以下のステップでなぜなぜ分析テンプレートを Miro ボード上に展開しましょう。
ステップ 1:まず、テンプレートの左上にある一つ目の四角形に、分析したい問題ステートメントを書き出します。これが、プロセス全体にわたる焦点となります。
ステップ 2:「なぜ」の問いかけを始めましょう。続いて、問題の根本にたどり着くまで「なぜ」の質問をして深く掘り下げていきます。各ブロックにこれらの質問や答えを記録して追跡し、仮説を検証する際に参考にします。
ステップ 3:納得のいく結果が出るまで、この行程を繰り返します。
ステップ 4:より多くの人からインプットをもらうこともなぜなぜ分析において重要なことです。作成中のなぜなぜ分析テンプレートをチームメンバーに共有して参加してもらったり、コメントに @メンションをしても良いでしょう。
ステップ 5:問題の分析が完了した後はアクションプランを立て、すぐに解決策や改善案の実施ができるように準備しましょう。
特に重要な問題やフォローアップが必要な問題には、付箋を活用して目立たせます。問題の緊急性や重大度によって、あるいは次のステップを担当する人によって、色分けされた付箋を使っても良いでしょう。
まとめ
なぜなぜ分析は、問題が発生した根本的な理由を追求することで、同じ問題が再発するリスクを下げることを目的としたブレインストーミング手法の1つです。1つの事象に内在するすべての原因を洗い出すことで、各原因を解消するための解決策を打ち出すことができます。なぜなぜ分析で効果的かつ効率的に課題や問題を解決しましょう。
なぜなぜ分析の実行には Miro のなぜなぜ分析テンプレートを使用することもおすすめです。テンプレートを使用することによりフレームワーク作成にかかる時間を大幅に削減することができ、すぐに分析をスタートすることができます。
実際に無料のテンプレートを使ってみて、その効果をご体験ください!
なぜなぜ分析の質問とはどういったものですか?
なぜなぜ分析手法では、特定の問題が発生した理由を尋ねることで、この問題の根本にたどり着くことができます。「なぜで始まる質問」は、「なぜ、これが発生し続けるのか」、「なぜこの問題が生じているのか」といったものになります。結論に到達する前に、少なくとも 5 回「なぜで始まる質問」をしてみてください。もちろん、さらに踏み込みたい場合は、なぜなぜ分析を繰り返すこともできます。
なぜなぜ分析は、どのようにして記録したら良いでしょうか。
Miro の既成テンプレートを使用して、なぜなぜ分析を記録することができます。または、Miro で新しいボードを開き、なぜなぜ分析テンプレートをゼロから作成することもできます。セッションを終えたら、チームでリンクを共有してフィードバックをもらいましょう。それを基にイテレーションしたり、新しいアイデアを追加したりすることができます。
このテンプレートで作業を開始する
アイデアファネルバックログ
活躍するシチュエーション:
Design, Brainstorming, Agile Workflows
アイデアファネルバックログは、バックログを視覚化し、上流に停滞するバックログの数を限定します。これにより、不要な会議や業務上のオーバーヘッドを発生させることなく、リスト上の項目に優先順位を付けることができます。アイデアファネルバックログを使用するには、ファネルを各フェーズに分けるか、ロードマップのように扱います。アイデアファネルバックログは、ロードマップとバックログを 1 つの分かりやすいハイブリッド モデルにして使用します。
ユーザーペルソナテンプレート
活躍するシチュエーション:
マーケティング, デスクリサーチ, ユーザーエクスペリエンス
ユーザーペルソナとは、調査または分析した製品やサービスの対象となる顧客層を表し、要約するツールです。コンテンツマーケティング、製品マーケティング、デザイン、営業、販売のいずれの場合でも、対象者を念頭に置いて運営します。通常、顧客または見込み客がペルソナ作成の対象になります。自社が提供する製品やサービスに対して何かしらのメリットを感じる顧客層かもしれません。通常、個性やニーズが興味深い形で表現されたひとまとまりの情報です。ユーザーに関する知識を抽出することで、対象となるユーザーモデルを作成します。これがペルソナです。
How Now Wow マトリクステンプレート
活躍するシチュエーション:
Ideation, Product Management, Prioritization
ブレインストーミングで生まれるアイデアに悪いものはありませんが、中には独創的で簡単に実行できるアイデアがあります。How Now Wow マトリックスはそうした素晴らしいアイデアを特定 / 整理するだけでなく、チームが創造的に考え、リスクを取ることで、活力を与えるためのツールです(規模が大きいほどより高い目標が課せられます)。このテンプレートを使用して独自のマトリックスを作成し、ブレインストーミングで生まれたアイデアにランク(「How」:実現が困難、「Now」:実現が容易、「Wow」:独創的かつ実現が容易)を付けましょう。
ワークフローテンプレート
活躍するシチュエーション:
ワークフロー, プロジェクト管理
デジタル社会ではよりコラボレーションが必要性が高まり、高度なコラボレーション実現することにより、オンラインの環境でも良い結果を生み出すことができるようになります。ワークフローとは、プロジェクトを完成させるのに必要なさまざまな手順、リソース、タイムライン、役割の概要を説明するプロジェクト管理ツールです。これは、ビジネスプロセスやそれ以外であっても、複数の手順があるプロジェクトに使用でき、目標を達成するために行う必要がある具体的な行動やその行動を実行するのに必要な順序を組み立てるのに最適です。
UML コミュニケーション図テンプレート
活躍するシチュエーション:
マッピング, ソフトウェア開発, 図表作成
近代のプログラムは、正確な命令に従って動作する多くの可動部品で構成されています。コミュニケーション図を使用すれば、これらの部品がどのように連携しているかを正確に視覚化することができ、プログラム全体をより明確に理解することができます。製品の開発または改良に合わせて、機能計画の場所としてもコミュニケーション図が活躍します。コミュニケーション図は、ソフトウェアデザイナーにとって不可欠なツールです。
UX リサーチ計画用テンプレート
活躍するシチュエーション:
マーケットリサーチ, デスクリサーチ, ユーザーエクスペリエンス
リサーチ計画とは、関係者がユーザーエクスペリエンスのリサーチプロジェクトについて理解する必要がある基本的な情報(誰が、何を、なぜ、何時)を伝えるものです。この計画では、全員が認識を合わせ、UX リサーチプロジェクトを成功させるために何をすべきかを把握する必要があります。このリサーチ計画を使用して、目標、リサーチ方法、プロジェクトの範囲、参加者のプロフィールなど、プロジェクトの背景情報を伝えることができます。UX リサーチ計画を使用すれば、関係者と効率的に認識合わせができ、進捗状況を把握して、成功へ導くこともできます。