雑談したくないファシリテーターのためのアイスブレーク仕込み技3選
公開日 2022年4月1日 最終更新日 2022年8月24日
「正直、今日は人と話したい気分じゃないな、だけど今日も自分主催のオンライン会議があるんだよなぁ・・・。」という日、ありませんか?この見過ごしがちな憂鬱の正体、もしかすると一人で全てを背負い込みすぎているからかもしれません。
状態のよいチームのマネージャーは、議論を活発化するために会議の冒頭で上手に2分程度の雑談を入れているそうです(※1)。そうはいっても、急にきっかけをつかむのは難しいですよね。
この記事では、Miroのテンプレートを活用してマネージャーやファシリテーターが抱え込みがちな悩みを仕組み化する技をご紹介します。
雑談が苦手な人がアイスブレークを仕組み化し効果を倍増させるコツ。すぐに使えるテンプレート3選。
状態の良いチームのマネージャーはオンライン会議の冒頭で雑談している?
チームの状態がよいマネージャーは、会議の冒頭で2分程度の雑談を入れる傾向があるそうです。これは、チームメンバーが発言しやすい環境を整えるからといえるでしょう。
雑談は得意ですか?
雑談が得意でも好きでも、新しく着任したばかりのチームや、明らかにうまくいっていないプロジェクトの進行に介入する場合、期限に追われている会議、今まで周りからそんなに雑談する人だと思われていないのに変身したいとき、いつでも自信をもって雑談を仕掛ける立場になり続けるのは辛いときもありますね。
リモートワークでしにくくなった雑談
リモートワークの課題は雑談の機会が減ったこと。その悪影響は、精神的な状態が悪化したメンバーに気づきにくい、イノベーションが起きにくくなるなどとも言われます。
それでもマネージャーやファシリテーターがそのプレッシャーを背負い込みすぎないように気をつけましょう。雑談力が常に求められるスキルであるかのように思いこまないようにしてください。
抱え込みすぎずに仕組み化する
オンライン会議のオープニングで、自ら雑談ネタを振ってくれる人がいると助かりますね。しかし、そうではないメンバーも、話しにくいのが重苦しい、なにかできないかな、と感じているかもしれません。
チームに雑談が生まれるように、恐れずチームメンバーの力も頼るようにしましょう。
どうやって?
具体的には、定例会議のアイスブレイク部分のファシリテーションをメンバーに持ち回りしてもらいます。
しかし、単に雑談役をお願い、アイスブレークをお願い、では難しく感じてしまいますので、オンラインコラボレーションツールであるMiroを活用する方法を含めて提案しましょう。
Miroとは?
Miroは、ZoomなどのWeb会議システムでシェアして簡単に使うことができるオンラインホワイトボードです。
イメージとしては、ひとつの模造紙にオンラインで各自がアクセスし、拡大したり縮小したり右や左に自由に移動しながら付箋やペンで書き込めるものだとお考えください。
模造紙やオフラインのホワイトボードでは複数人が一度に同じ場所に集中して書き込むことは難しいですが、オンラインの場合には10人でも100人でも可能です。
もう少しプロダクトの概要を知りたい方は、Miroを知るをご覧ください。
まずは試したい方は、Miroはどなたでも無料でご利用できます。クレジットカードのご登録などは必要ありません。
既にご利用の方は
アイスブレークをチームで持ち回りする効果とは?
この施策の効果を確認しましょう。
スキルアップ
チームメンバーがファシリテーションの経験を積むことができます。メンバーのスキルアップを仕組み化するのもマネージャーやリーダーの大切な仕事のひとつです。
チームメイキング
会社でリアルに顔を合わせていたときは自然とさりげない会話をきっかけに仕事の話が出来ていたメンバー同士が、在宅勤務によってその機会を失っている、しかもそれに気づかず孤独感を呼びこむ一因になっている恐れがあります。
雑談の仕組みが、職場で業務に関係がない話をしていたことをチームに思いださせて再びお互いの今を知ったり、助けたりするきっかけになることを期待しましょう。
人間は自ら気づいたことのほうが心に響きます。また、マネージャーやファシリテーターではなく、横の関係にある同僚がアイスブレークを頑張っていることに励まされることもあるでしょう。
バイアスに気づく
長く仕事をともにしている間柄でも、誰にでも知らなかった意外な一面があるものです。物静かだから週末も家で過ごしているかと思いきや実はX-Sportsの観戦が大好きだったなど、なかなか開示しないような話題をシェアする場を作ることで、密かに相手を”バイアスのメガネ”で見ていた自分に気づきます。
ちなみに私は、3年近く在籍した前職の上司や一部のメンバーには一度もオフラインで会ったことがありません。
あるとき、アンコンシャスバイアスの研修で、「君がスノーボードが好きって、チームメイトに話したことある?」と指摘され、初めて自分がたいしてプライベートを開示していないことに気づきました。
オンライン会議で生活音や宅配から話題が広がることはあっても、意外に好きなことや趣味の話をしていなかったんです。
それ以降、北海道にスノーボード旅行に来たことがある上司には、ときどき「ありがとう。スノーボードのことならいつでも相談してね。へたでも教えてあげるから。」と笑いをとれるネタがひとつ出来ました。
アイスブレークの内容と会議目的を一致させ相乗効果をあげる
アイスブレークで得た体感が会議の目的やチームメイキングで目指す方向性の軽いウォームアップになっていると、アイスブレークの効果を倍増することができます。すぐに使える3つの例でご紹介します。
すぐに使えるアイスブレークテンプレート3選
Miroでは、すぐに活用できるテンプレートをご提供しています。
以下の記事でもご紹介しています。
やり方
それでは、やり方です。まずは、Miroverseと呼ばれるコミュニティで共有するテンプレート集(英語)にアクセスします。Miroverseでは、様々なユーザによる多様なテンプレートが公開されています。
上部の検索ボックスにicebreakeと入力すると、2022年04月06日時点で109ものテンプレートが見つかります。論理的には週次会議なら2年ネタが持ちます。
これほどの数が集まるということは、世界中の多くの人がチームメイキングに悩み、積極的に楽しもうとしているという証左でもあります(勇気が出ますね)。
これらのテンプレートを自分のダッシュボードにコピーして利用しますので、まだアカウントをお持ちでない方はこの機会にお試しください。
もう少しプロダクトの概要を知りたい方は、Miroを知るをご覧ください。
まずは試したい方は、Miroはどなたでも無料でご利用できます。クレジットカードのご登録などは必要ありません。
既にご利用の方は
1.数字のシェアや気づきを求める会議向け。ウォーリーさんを探せ!
先ほどと同様、検索ボックスにFinding Waldo Icebreakerと入力します。すると、一番左上に表示されますので、画像の上にマウスオーバーしてください。右上にUse templateのボタンが現れますので、クリックして自分のダッシュボードに複製します。
ウォーリーさんのトリビア
ところでウォーリーさんって、国によって名前が違うのをご存じでしたか? 英国やオーストラリアでは日本と同じく Wally(ウォーリーさん)ですが、アメリカでは Waldo(ウォルドーさん)で、フランスではCharlie(チャーリーさん)、ドイツではWalter(ウォルターさん)なんだそうです。
概要
模造紙いっぱいにウォーリーさんを探せ!のポスターが印刷されていることを想像してください。
ポスターの左側に、予め〇がたくさん置かれている場所があります。ウォーリーさんを発見したら、Microsoftパワーポイントのオブジェクトを動かすように〇を移動させて印をつけます。
特徴
たいがいの人が知っているためゲームの説明を省略することができ、ファシリテーターの負担が少ないです。
また、自分のことを話すなどの自己開示をしなくても黙々と励むことが可能なので、まだ日の浅いチームにも良さそうです。時間制限を設けてやってみるのがよいでしょう。
応用
ひとひねりとして、丸印の色をチーム毎に変え、チーム対抗戦でウォーリーさんの発見の速さを競うのも盛り上がるかもしれません。
ファシリテーションのコツ
尚、このアクティビティの後に会議の本題に移る際、「細かい点まで見ていくと発見がありますね。それでは週次の数字を見ていきましょうか。」などのクッショントークをはさむとよいでしょう。
意外に疲れるワークですので、終わったら逆にリラックスして聞いて欲しい情報共有に移り、全体の緩急をつけるのもいいかもしれません。
2.ブレインストーミング向け。いっこだけほんと
1.のウォーリーさんを探せ!と同様の要領でMiroverseにアクセスしてIcebreaker 1 Truth 2 Liesと検索し、テンプレートを自分のダッシュボードに複製します。
概要
ひとり4枚の付箋を持ち、1枚は自分の名前、下に3枚の自分について書いた付箋紙を貼ります。自分についての付箋紙には、1枚だけ本当のことを、残り2枚にはウソを書きます。
終わったら、他の人たちが、本当だと思う付箋紙にピンクの丸をつけます。最後にひとりずつ順番に正解を披露していきます。
特徴
全員が少しだけ自己開示をすることができます。自己紹介ではなく、既に知っている者同士で楽しめるので、意外な一面を発見したり誰かにバイアスをかけていたことに気づくかもしれません。
ファシリテーションのコツ
Miroで最もよく使うであろう付箋紙を活用したシンプルな自己開示ゲーム。全員が必ず発言するので、Miroでブレインストーミングを行う前などに実施するのが効果的でしょう。
間違うことは怖くない、推測するのは楽しい、という体感をシェアできた喜びを伝え、「なんでも発言してみよう」と促すと良いのではないでしょうか。
オンラインでは少し意識してポジティブな表情や身振りを出すように気をつけてみましょう。
また、相手に上手に反対意見を言えるほど打ち解けていないチームにも、程よい刺激を与えられるワークだと思います。
3. チームの心理的安全性を高めたい。ハードル低めの自己開示
1.のウォーリーさんを探せ!と同様の要領でMiroverseにアクセスしてIcebreaker 1 Truth 2 Liesと検索し、テンプレートを自分のダッシュボードに複製します。
概要
Miroの最大の特徴である空間を限定せずにオブジェクトを配置できる特徴を活かして、いくつものアイスブレイクのアイディアをひとつにまとめたタイプのテンプレートがあります。
これもそのようなタイプのもののひとつですので、ズームインしてスクロールして見てみてください。
こちらは英語が比較的平易で、なんとか心理的な障壁を乗り越えられるかな?くらいの自己開示アイディアが集まっています。
例えば3は、もし違う仕事をするとしたら何がいいか3つ挙げてシェアする、 5は、過去、現在のハッピーだった経験と、将来こうなったら幸せだなと思うことをシェアする、6は出身地と名物をシェア、7は、とあるCMを選び、動物キャラにセリフをいれるワークです。
特徴
これらのワークは、必ず最初に3分間など、それぞれが黙って考えて書く時間があり、その後で発表し合う、リアクションし合う、という2つのプロセスに分かれています。
実はこの流れは、業務で課題にぶつかったときにも最初の10分はそれぞれ考えをまとめてアイディア出しをし、その後にシェアしてディスカッションする、というように、声が大きい人や小さい人に偏らずに意見を出し合う流れを作るのに役立ちます。
チームメイキングのコツ
この流れに慣れて、業務の課題にも忌憚なく意見を出し合い、受け入れられるチームを作っていきましょう。
以上、3つのMiroを活用したアイスブレイクのご紹介でした。
アイスブレーク持ち回りの発展形
アイスブレークの持ち回りに慣れたら、チームボンディングとも呼ばれるレクリエーションを行うアクティビティを開催してもらうのも良いと思います。
例えばMiroなら図形を動かすことでチェスや双六のようなゲームも行えます。
コロナ禍で急に働き方が変わり、戸惑ったり困ったりしている方も多いと思います。
一人では状況を打破するのは大変ですが、チームメンバーの力を借りながら新しい働き方を探していくためのヒントになれば幸いです。
※1.出典:AI分析でわかったトップ5%リーダーの習慣 越川慎司
Miroは、世界で8,000万人が利用し、25万以上の企業が採用しているイノベーションワークスペースです。組織が生産的に業務を進めるための多くの機能とエンタープライズ水準のセキュリティを備え、日本では120万人以上に幅広くご利用いただき、TOPIX100の60%以上の企業に採用されています。試験的に導入してみたい、説明を聞いてみたいなどのご要望がありましたら、お気軽にお問合せください。