お客様事例インタビュー

Miroで達成感を味わいながら柔らかいアイデアをカタチに。日立ソリューションズ DXラボがお客様の新たな「価値創出」を支援する方法とは?

公開日 2024年1月12日 最終更新日 2024年1月16日

Miroで達成感を味わいながら柔らかいアイデアをカタチに。日立ソリューションズ DXラボがお客様の新たな「価値創出」を支援する方法とは?

「Inspire the Next」というフレーズでおなじみの日立グループ。日立ソリューションズは日立グループのデジタル事業の中核となる一社で、業務ノウハウとITに強みがあり、システム構築から運用まで幅広いコンサルテーションやソリューションを提供しています。DX推進もそのひとつで、社内外のさまざまなクライアントに対し、Miroを使ってビジネスの仮説構築や価値検証を行っているそうです。DX協創戦略部の西泰彦さんにお話を聞きました。

クライアントと新しい価値を見出す 「DX協創戦略部」

― DX協創戦略部と西さんの役割について教えてください。

西: DX協創戦略部では、DXラボという協創空間をご提供しています。DXラボでは、私たちの知見やビジネスフレームワークを用いて、お客さまが社会に新たな価値を生み出すためのご支援をしています。また、私はその活動とともにDXラボの取り組みを社会に発信する役割も担っています。

― DXラボは、どのようなチーム構成なんですか。

チームは15~20名ほどで、大きく2つのチームに分かれています。ひとつは、新規ビジネスのブループリント※1を描き、ピボットの方向性を提示したりロードマップを柔軟に刷新したりするようなコンシェルジュのチームです。もうひとつは、新規ビジネスの創出やグロース※2 の過程に合わせてアイディエーションやワークショップを専任で担うチームです。

また、必要であればプロダクトやサービスのプロモーションも私たちで支援できる体制になっています。実は、コンセプトや背景をよく理解している私たちがマーケティングプロモーションも行うのは、とても理に適っているんです。

― 確かに。創出から関わっているチームが一気通貫でプロモーションまでしてくれたら、お客さまも事業の説明要らずでお任せできますね。DXラボでは、どのようなきっかけでMiroを使い始めてくださったんですか?

西: DXラボの前身は2017年くらいからあり、ワークショップを担うチームは元々リアルのホワイトボードを用いていました。ところがコロナ禍で対面でのワークショップが出来なくなってMiroを使い始め、今ではコンシェルジュのチームも使っています。リアルのホワイトボードで行ってきたこととのギャップが少ない点が採用のポイントです。

※1 ブループリント:設計や構想、計画などを記した文書など。

※2 グロース:成長、発展

源流の方法論、プラス 「うまくいきやすいノウハウ」

― 新規ビジネスの立ち上げ、大変ではないですか?どのように進めるのでしょうか。

西: 源流には、日立製作所がデザイン思考を用いて体系化した「NEXPERIENCE※3」という顧客協創方法論があり、そこに私たちなりのうまくいきやすいノウハウを加えて、工程を大きく4つのステップに分けています。


※3 NEXPERIENCE(ネクスペリエンス):パートナーとの協創を通じて新しいビジネスやサービスをつくり上げていくための協創⽅法論。

具体的には、「1.アイデア創出」、「2.仮説構築」、「3.価値検証」、「4.ビジネスモデル構築」です。ただ、1から4までを必ず通過しなければいけないというわけではなく、お客さまの状態や課題、めざす内容などによって、2.から入ることもあれば、2.5くらいの位置から入ることもあります。

たとえば、

  • DXが命題なので、まずは取り組むべき案をたくさん作りたい
  • ソリューションは持っているので、応用して社会実装したい
  • 仮説と意思はあるので、第三者にファシリテートしてほしい

という要望があるとき、今何をすべきかが異なるからです。ひとつだけルールがあるとすれば、「4.ビジネスモデル構築」には、価値検証を通じて勝算をつかんでから移行する、ということです。

西泰彦さん

柔らかいフェーズでMiroを使うと特に効果的

― Miroはどのあたりの工程で活躍しますか?

西: 全般的に活用していますが、Miroは、特に前半の「1.アイデア創出」と「2.仮説構築」の、まだ柔らかいステップで使うと効果が高いと思います。「1.アイデア創出」でDXをどのように実現したいか探索するときには、自社だけでなく他社も巻き込んでWin-Winの建付けを作るべく幅広く発想しますので、想像以上にたくさんの課題を抽出できる場合があります。そのため、枠で制限されることがないMiroの盤面の広さが必要です。

― 実現方法を自社だけに限定しないのですね。どんなフレームワークを使われますか?

「1.アイデア創出」や「2.仮説構築」で使うフレームワークとしては、VPC(バリュープロポジションキャンバス) 、リーンキャンバス、他に四象限のプロットなどいろいろありますが、適切なものは進め方によるので、いつも決まったものを使うわけではありません。プロジェクトの進行自体も、どれくらいの速度がよいのかがお客さまによって異なります。ですので要所要所で一度立ち止まり、方向転換するか、このまま進めるかなどをご自身で決めていただくため、確認しながら進めます。

そうした途中の議論結果や成果物については、Miro上に一覧性をもたせて配置します。そうすることにより、検討の足りていない箇所を可視化して次に進むべきステップを判断しやすくなりますし、プロジェクトの進行を定点観測できる点が優れていると思います。

また、Miro上に成果物をまとめることで、アプリケーションや画面を切り替えずにさまざまな資料を参照してファシリテートを進められますので、思考を止めず集中して検討を進められる点が有難いです。

― Miro以前はどうされていたんですか?

西: 対面で模造紙を広げたりしていました。ワークショップ後にはくるくる丸めて持ち帰るのですが、お客さまの情報なので、紛失や漏洩にはとても気を使っていました。それから模造紙の情報をPower Pointに落とし込むのですが、ペンで潰れた読めない文字があるとストレスにもなりますし、この作業には毎回1~2時間かかっていました。

― お聞きするだけで大変そうです。議論やワークショップでは、どんな風にMiroを使うんですか?

西: ひとつ私たちの特徴的な進め方がありまして、ワークショップの際に、ファシリテーターだけでなく、ドキュメンテーション専任の者が同席するんです。

― 議事録を書いてくださるような方でしょうか。

西: はい。「リアルタイムドキュメンテーション」と言って、お客さまや私たちが会話したことを、リアルタイムでどんどん付箋に貼り出して、紐づけて構造化したり、少し絵で表現したり、可視化に集中する専門的な役割です。

― 集中できて議論の質があがりそうですね。新規事業創出ならではのMiroの使い方の工夫はありますか?

西: だとすると、「スゴロク」だと思います。

― スゴロク!

西: こんな感じのスゴロクマップをつくっています 。

西: 新規事業を生み出す過程は決して一直線ではなく、手戻りややり直しも発生するんです。ステップ数としても、実は大きな4つのステップにはもっと細かいステップがあり、たとえば「1.アイデア創出」であれば、アイデアを生むためのインプット、ニーズもしくはシーズからアイデアを出すかの決定、アイデアの評価、などの工程があります。そのため、今自分たちがどこにいるのか確認できるように、スゴロクのようにビジュアルで一目見て分かるようなマップを使うんです。

実現するか不確実なものについて考えるのはそれだけでも大変なのに、やり直しが多いとどうしても疲れてしまいますし、今自分たちがどこにいるのか見失ってしまうことがあります。

そのような ときには、現在地を確認して「ここまではやってきたんだから、次も出来る」と、ちょっとした達成感を味わったり、そもそも「スゴロク」のように、「行ったり戻ったりしてゴールまで進むものなんだよね」と再認識できるようにしています。

達成するってやっぱり楽しいですから、「思えばずいぶん登ってきたな」と振り返って眺める時間は、必要ですよね。

― それはすごくいいアイデアですね。楽しいといえば、西さんの手持ちのアイスブレイクはあるんでしょうか。

西: ありますよ。たとえば、野球盤の上に自分がつきたいポジションに付箋でプロットしてもらうことがあります。みなさんが付箋を使うウォーミングアップにもなりますし、なぜそのポジションに置いたのか、自己紹介でお話してもらったりします。

――野球を全く知らない人がやるのも奇抜な発言が出そうで面白いですね。こうして場がほぐれるとアイデアもだしやすくなりそうです。DXラボで便利に使っていただいているユースケースはありますか?

西: DXラボが検討を支援した弊社の「マンガフィールド」というサブスクリプションサービスがあり、それを活用して顧客の体験を可視化するワークショップにおいて、よくMiroを活用しています。

― マンガ広告の制作を自分で出来るんですよね。面白いですよね。

西: マンガって分かりやすくて、つい読んでしまいますよね。マンガフィールドはMiro上で議論を可視化する点でとても親和性が高く、「誰に何を伝えて、どんなふうに感じて行動してもらいたいのか」といったことを整理するのに重宝しています。具体的にはカスタマージャーニーと呼ばれる顧客体験の流れをMiro上で整理し、 その内容をマンガ表現に落とし込んで、顧客の感情の動きも含めてストーリーを魅せるように工夫しています。

マンガフィールド

― 具体的なイメージが湧きました。最後に、西さんがこれからDXラボで実現していきたいことがあれば、教えてください。

西: 協創をなるべく楽しいものにしていきたいです。「楽しさ」は、Miro導入前は演出しにくいところがありました。たとえば、会話の最中に喜怒哀楽を表現することは、心理的安全性が確保されていないと難しいところですが 、Miroのスタンプを使うと もう少しハードル低く「いいね」や「好き」などの感情を表せます。「スゴロク」も達成感を得て、 大変さを乗り越えるための仕組みですね。

新しい価値を創る過程には大変なことも多くありますが、そのなかに「楽しさ」を混ぜ込むことで、協創へのチャレンジャーが増えてくれると嬉しいなと考えています。これからも楽しんで進められるDXラボにしてきたいと思います。

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