お客様事例インタビュー

日本の新たなDXのかたち。お客様と一体化したチームをつくるシンプレクス流プロダクト開発

公開日 2023年10月13日 最終更新日 2023年11月6日

日本の新たなDXのかたち。お客様と一体化したチームをつくるシンプレクス流プロダクト開発

金融業界のテクノロジーパートナーとして評価を得ているシンプレクス株式会社。国内大手の銀行や証券会社のシステムを手掛けています。その開発の現場では、Miroを使うことでお客様と一体化したスクラムチームづくりができているそうです。

クロス・フロンティアディビジョン アソシエイトプリンシパルでエンジニアの伊藤拓海さん、リードでUI/UXデザイナーの中野純也さん、エンジニアの西﨑省伍さんに聞きました。

金融領域に強みを持つシンプレクス

― まず、みなさまの事業部と従事されている役割についてお聞かせください。

中野: シンプレクスは戦略から設計、開発、運用保守を一気通貫で提供する企業で、特に金融領域に強みを持っています。

私は伊藤と西﨑と同じプロジェクトチームで、デザイナーとしてUI/UX周りを担当しています。お客様と話し合いながらよりよいものをリリースしていくことはもちろん、現行プロダクトに課題があれば、エンドユーザの体験を踏まえてどう改善していくかも主体となって提案します。

中野純也さん

伊藤: 私はエンジニアとして参画しながら、プロダクトオーナーであるお客様とのやりとりも主に担当しています。

伊藤拓海さん

西﨑: 私もエンジニアで、全体を包括的に見ています。私達開発チームは、実装やQA(テスト・品質管理)に留まらず、アラート対応などの運用保守まで設計して自分たちで行っています。

西﨑省伍さん

デザインチームからMiroが浸透

― Miroを使い始めたきっかけを教えてください。

中野: 2019年頃にデザインチームが使い始めたのが最初です。コロナ禍前まではお客様のオフィスに赴きホワイトボードと付箋を使って要件定義などを行っていましたが、Miroを使い始めたら便利で、エンジニアを含めたプロジェクト全体で使うようになっていきました。

―プロダクト開発はどんな風に進めていますか。

伊藤: このプロジェクトでは二つのチームが、スクラムで開発を進めています。他に横断的なデザインチームが1つあり、それぞれのチームメンバーは6-7人程度の構成になっています。UI/UX設計と実装は切っても切れない関係なので、デザイナーとエンジニアは日々密に連携しています。また、ビジネスや収益性に課題が出てきそうなときは、専任のグロースチームとも協力して問題にあたります。

― スプリントはどんな感じでまわしているんですか。

西﨑: 2チームとも、1週間スプリントで振り返りは火曜日に行っています。朝会や夕会の実施は厳密なルールがあるわけではなく、自分たちが主体となって決めているので、チームや時期によっても変わります。

― 金融業界のプロダクトはドメイン理解が難しそうですが、エンジニアリングとの両立はどうされていますか?

伊藤: 金融知識の導入研修があって基本的な知識は全員が身につけますが、金融工学については各々業務の傍ら勉強しています。西﨑は証券一種を持っていますが、同じように資格を取得する者もいます。エンジニアリング領域については、私と西﨑はフルスタックですが、一通りやってみてフロントに特化したい、PMを極めたいなど、個人のキャリアの方向性は尊重されます。

お客様に激しい議論も隠さない、ひとつのスクラムチーム

― Miro以前と以後でどんなところが変わりましたか?

西﨑: Miro以前はオフィスにチーム毎の物理ホワイトボードを持っており、そこで進捗などを見えるようにしていました。また、「振り返り」は週に1回お客様にご来社いただいて一緒に行っていたのですが、Miroになってからはリモートで完結できるようになりました。オフラインでもオンラインでも参加してもらえるようになり、より多くの役割を持ったお客さんと振り返りが出来るようになりました。

― 振り返りもお客様と実施されるとは、かなり密に進められているんですね。

社内とお客様とのボードはどう使い分けていますか?

伊藤: 分けていません。私達は課題の解決方法や実装方針で意見が分かれたり、ときには激しい論争になるときであっても、全てお客様にオープンにしているんです。

西﨑: 効率の意味でも、そのほうがお客様とのコミュニケーションコストが減る実感がありますし、お客様と私達は同じプロダクトに向き合うチームでもあるので、何も隠す必要はないと思っています。物理的には、ひとつのMiroボードで進めて、重くなってきたらNo2のボードに移る、という形で進めています。

―お客様にとっては経験豊富な開発チームを社内に持てるような感覚ですね。

Miroでお客様とオープンなチームとしてやってみていかがですか。

中野: UI/UX設計の過程では、以前はパワーポイントなどのオフィスソフトで資料をまとめており、どうしても「枠に収めよう」という力学が働いていました。Miroであればスペースの制約を気にせずにジャーニーマップを描くことができるので、お客様と一緒に付箋を追加しながら最適なUXを探ることができるようになったと思います。

デザインチームと開発チームが連携して作成したMVPを決めるためのユーザーストーリーマッピング

西﨑: 必要なデータはお客様にMiroに保存していただくなど、資料をやりとりするコミュニケーションの無駄や保存の手間が減ったと思います。また、Miro以前はデザイナーからFigmaの画面をもらっても、デザイナーがお客様と話した経緯が見えず「このデザインがこうなったのはなぜ?」と聞いたりしていました。今ではMiroを見て迷いなく設計に集中できるようになりました。

伊藤: ブレストの経緯が全て残っているので、誰もが納得感を得られやすくなったと思います。スピーディーに進めていると、少し前に実装した機能をどう決めたか忘れてしまったりするんですよね。再度その機能が俎上に載ったときにMiroを見れば事実ベースで確認ができるので、お客様とも建設的に次の打ち手の話をすることができます。

西﨑: もうひとつは、理由を突き詰めたことはないのですが、Miroを使用するようになってから、振り返りで挙がってきた「一旦やってみようか」的な付箋が溜まりにくくなったと思います。なぜかリアルのボードのほうが溜まりがちでしたね。お客様に見えるところに貼ってあるので、自然と整理が進むようになったのかもしれません。

Miroのテンプレートを利用して行った振り返り

ホワイトボードからMiroに切り替えてみて

― Miroがチームビルディングに役立っている点はありますか?

伊藤: 説明の速さでしょうか。例えば、入社して間もない場合、扱っているのが金融領域ということもあり、どこで躓いているのか言語化がなかなか追いつかない場合もあるんです。そんなときには画面のスクリーンショットをMiroに貼って話すと、困っているポイントがクリアになります。

西﨑: 振り返りでたくさんの付箋が貼り出されてもMiroボード上で移動したり俯瞰したりできるので、うまく言い出せなかったことや着目されにくかったことも、誰かがうまく拾ってくれるようになったと思います。

― 進捗もMiroを見れば分かるようになっていますか?

伊藤: そうですね。遅れていたらMiroを見れば分かります。自分達のチームの朝会でスプリントの消化具合が良いことが分かったら、もうひとつのチームのボードを見に行って、なにか手伝えることがないか探すくらいです。

― こなれたいいチームですね。お客様との進め方では、どんな工夫をされていますか?

伊藤: 体制図をお客様も自分達もMiroボード上に顔写真つきで作っていて、どんな人が何を担当しているのか分かるようにしています。また、スプリントレビューではお客様としっかり認識が合うように、ロードマップ上でどの機能のどの辺をやっていて、次はどこに着手するのか、といったことも全体と今、少し先の未来と、可視化して説明できるようにしています。

中野: 振り返りでは「お互いにありがたかったことに感謝する」ゾーンを作っていて、そこにお客様が「シンプレクスさん」ではなく、メンバーに宛てて「◯◯さん、XXの難しいUIをうまく工夫してくれてありがとう」といったコメントを書いてくれることがあるんです。個人としても見てもらえているし信頼されていると実感できて、すごく嬉しいですね。

伊藤: 「△△さんなら、いけますよね。」といったコメントも、一緒に作ってきて出来ることを知ってもらえているからこそ適正に期待してもらえるのであって、やりがいを感じます。

― ここまでお話をお聞きして、とてもいいスクラムを組まれていて、DXを目指すお客様にもメリットが大きい進め方だと感じました。ウォーターフォールとの違いは感じますか?

伊藤: ウォーターフォールだと、まずここまで話す頻度は高くなかったと思います。効率の面では、ドキュメントを清書しなくて良いので、その時間をプロダクト改善のために費やせるというのは大きいのではないでしょうか。

― 今後、目指したい姿はありますか?

西﨑: 私達はチームで体験設計、グロース、実装、運用保守と一気通貫でプロダクトを支えるので、全ての工程を、繋がりを持って見ることができています。それにより、チームのみならずそこに属する個人も多様な視点を持つことができるので、実装方針や進め方で議論が起きるのは健全だと考えています。

Miroにはそのブレストの過程が残っていてお客様ともオープンにやりとりすることでお互いの理解が深まりますし、より一体感を持ってプロダクトに向き合えるのではないかと思います。これからもお客様とオープンな関係で開発を続けていきたいです。

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