お客様事例インタビュー

「子どもを育てる環境をよくしたい」日本の重要課題を紐解くコドモンがMiroを手放さない理由

公開日 2023年2月3日 最終更新日 2024年1月16日

「子どもを育てる環境をよくしたい」日本の重要課題を紐解くコドモンがMiroを手放さない理由

これからの日本を担う子どもを育てる場である保育や学校教育の現場では、人手不足や高い離職率が課題になっています。離職の理由を紐解くと、賃金構造や人員の配置基準など制度の問題が挙げられるそうです。

そんな状況を改善するために、保育・教育施設の方々が書類業務などを省力化し、本来の業務である子どもに向き合う時間を確保するためのSaaSプロダクトを提供しているのが、株式会社コドモン。全国14,000施設、毎年2,000以上の保育・教育施設に導入されている業界のトップカンパニーです。

コドモンでは、業務フローを解像度高く理解してドメイン駆動設計を行うためにMiroが活躍しているとのこと。執行役員でプロダクトマネジメントを行う彦坂春森さんと現場でプロダクト開発を行う岡村謙杜さんに聞きました。

子どもを取り巻く環境をテクノロジーの力でよりよいものに

― まず、御社の事業概要についてお聞かせ下さい。

彦坂: 株式会社コドモンは「子どもを取り巻く環境をテクノロジーの力でよりよいものに」をミッションに掲げる会社です。保育施設や小学校など教育施設に向けた業務省力化のICTシステムや、採用・園児募集支援サービス、保育オンライン研修サービスなどを展開しています。

― お二人の役割に関してもお伺いできますか?

彦坂: 私は開発部門の執行役員を担当し、職種としてはプロダクトマネージャーを務めています。

岡村: 私はエンジニアとして、実際に開発を進めています。全体のプロダクトマネジメントとエンジニアリングの橋渡しをして、どんな開発をするのか、どんな戦略でやっていくのかを他のエンジニアと話しながら決めていきます。コドモンというモノリシックなアプリケーションをマイクロサービス化させていくことを主に行っています。

開発で「難しい……」と感じたら、Miroへ

岡村謙杜さん

― 開発の現場でMiroをどのように使っているのでしょうか?

岡村: コドモンでは基本的にリモートワークで、バーチャルオフィス上で働いているのですが、開発をするなかで「ちょっとややこしいな。難しいな。」と思ったら、「Miroに行きませんか?」というコミュニケーションをしています。

変化に対応し事業を成長させ続けるには、ソフトウェアをいつでも素早く改善できる状態にしておく必要があります。我々の業務支援のプロダクトでそれを実現するためには、開発者が先生方の業務を理解することが大切だと考えています。一口に保育園の先生といっても、種別や園の規模はそれぞれですし、同じ規模の園であったとしても業務の流れが違うことは当たり前にあります。国が定めた基準が複雑だったり、自治体ごとにルールや求める内容が異なったりということもあります。業務を理解するのは簡単なようで難しいんです。

そのためにコドモンではプロダクトマネージャー中心に、エンジニア、デザイナーと一緒にユーザーインタビューを行い業務フローの整理をしています。

整理して開発していく手法として「ドメイン駆動設計」を取り入れており、インタビュー等のリサーチを通じて業務に詳しくなったプロダクトマネージャーとエンジニアが協力してモデリングを行い、業務を整理しながら、共通理解を深めていきます。エンジニアは作成したモデルとソースコードが結びつくように実装していきます。

コドモンにおけるドメインモデル

― ボードを初めて拝見しましたが、ドメイン駆動設計とMiroがここまで相性がいいとは想像しませんでした。もしMiroがなかったら、どうやってドメイン駆動設計を進められましたか?

岡村: 想像できないですね。

言葉一つの理解がズレにつながる

彦坂: 例えば、「シフト」という言葉。保育園では何気なく使われている言葉ですが、「シフトってどうなってたっけ」という言葉の裏では、微妙に意味合いが変わります。園長先生は「この先一か月間の職員の勤務予定」を指していたり、現場の先生ならば「明日、早番で出勤する先生は誰で、自分は誰から引き継ぎを受けるのか」「自分は何時から担当するクラスが変わるのか」だったりするのです。

岡村: この言葉の内容がズレた状態でコミュニケーションを取っていると見当外れの機能を開発してしまったり、適切に設計できずにソースコードも汚れてしまう。プロダクトに関わるどんな立場の人でも「それ」だと分かる同じ言葉で、同じものを指していかなければいけないのです。新たな言葉・新たな呼び方が会話の中でふと出てきたときは、Miroで「これは新しい概念か、既にモデルにある概念の別名か」「新しい概念であれば、他の概念とどのような関係にあるのか」などを確認しながら議論をしていきます。

― この認識のズレはよく発生するものなのでしょうか?

彦坂春森さん

彦坂: 認識のズレはモデリング段階で頻繁に気づき潰しています。もし重要なズレを潰せなかった場合、実際に開発が終わり、社内レビューや現場のユーザーに触ってもらう機会で初めて「なんか使い勝手が悪くない?もっとこんな機能が良かったよね」となりえます。

機能を追加しようとしても、そもそもの概念からまちがっていると、根本的な作り直しが必要で「ちょっと厳しいですね……。改修にすごく時間がかかります……」となってしまいます。ズレは大小ありますが、プロダクト開発の一般論としても、ズレに気づけず使われないものを作ってしまうことは起こります。

― 保育現場という特殊な課題に向き合うプロダクトで先行事例も見つけにくそうですし、細やかなコミュニケーションが必要そうですね。

彦坂: 例えば、「保育料の予定」を「常に同じ一定の金額で繰り返すもの」として作ったのとします。ところが夏休みなどお子さんにイレギュラーのお休みがあると、個別に手動で情報を追加して計算し直しになりますし、そもそもその機能は使われないかもしれません。

また、多くの手修正を経ての再計算となれば、現場の先生に大きな負荷がかかってしまいます。それはコドモンのミッションである「子どもを取り巻く環境をテクノロジーの力でよりよいものに」とは真逆の動きになるのです。

ですから、最初から壮大なプロダクトを想像で作るのではなく、現場を理解し、チーム内でも細やかに足並みを揃えてプロダクトを作り、ユーザーの声をもとに育て進化させていくことを大切にしています。モデルも一回作って終了ではなく、洗練させ続けていく必要があります。1つのモデルを業務の理解とコード、両方に利用できるようにして、モデルが変更されたならコードを変更しコードを変更したらモデルを変更します。そうすることにより新たな要求や発見に素早く対応できるようになります。

アジャイル開発に欠かせないMiro

岡村: アジャイル開発は行動・学習・改善のサイクルを回し続けることが重要です。イテレーションの終わりにチームはふりかえりを行います。ふりかえりでは、イテレーションで上手くいったことだけでなく、上手くいかないことがあったのであれば、「何故上手くいかなかったのか。同じような失敗をしないためにはどうしたらいいのか?」を分析します。そして次のイテレーションではどうしていくか話し合い、チームが成長し続けることを目指します。

彦坂: そのプロセスの話をする際に、お互いの考えをただ話す場合もありますが、感情も合わせて表現しておくと、同じ事柄に対する捉え方や感じ方の違いも見えてきます。感情を表現する際に付箋の色を「赤がポジティブ」「黄色がニュートラル」「青がネガティブ」と決めておくだけで、チーム全体の状態もひと目で分かります。

アイスブレイク、ふりかえりもMiroで

岡村: ふりかえりを行う際には、ファシリテーターを必ず1人立てるようにしており、そのファシリテーターは別のチームから呼ぶようにしています。チーム内の人がファシリテーターになると、自身が議論に参加したくなったり、自分の持っていきたい方向に議論を進めてしまったりして、効果的なふりかえりが行えなくなってしまう場合があるためです。ファシリテーターに呼ぶ外部チームの人は、ふりかえりに関する指定の本を読んだ人をリストアップしておいて、時間が合う人を呼んでいます。

― 社内でファシリテーションを学んだ人が誰かをオープンにして、実践の場所も作っているんですね。この仕組みは他の多くのエンジニアリング組織のお客様に伝えたいです。

― ところで御社の多様で面白いアイスブレイクは、どうやって実現しているのですか?

岡村: アイスブレイクは、ふりかえりに全員が積極的に参加することを促すために、参加者全員が一度は声を発する内容にするということだけを決めていて、内容は各ファシリテータに考えてもらっています。その結果、ユーモアなアイスブレイクが生まれたりしています。例えば「前の人より大きいもの限定しりとり」「一番強そうな本を本棚から持ってくる」とか、新卒の社員が「新生活であったら便利な家電」を聞く回もあります。

― なるほど。ファシリテーションの仕組みの巧みさゆえ、無理なく実現できていることだったのですね。

オンボーディングにもMiroが役立つ

― Miroはふりかえりの履歴を残しておけるなど、ひとつに資料がまとまることは利点でしょうか?

彦坂: はい。ともすれば、共有すべき情報はさまざまなフォルダのドキュメント、スプレッドシートに散らばりかねません。新しいメンバーが入社した際のオンボーディングで「これを見ておいて」と主要なファイルを共有しても何をどう見ればいいか分からなかったりします。その点、Miroでは散らばっている知見を1つに集約して見ることができるので、順を追って戦略や過去の議論を伝える際に役立っています。

岡村: チームの目標管理も、「目標設定や評価の時期にしかアクセスしないファイル」にまとめておくよりも、日々見て確認するMiroのボードに置いておくほうが良いのではと思い試行錯誤しています。やはり、アクセスするきっかけがないことには使われませんから。

複雑なスパゲッティを解けるのがMiro

― 改めて、Miroの良さと今後のプロダクト開発における目標を教えてください。

彦坂: Miroはスパゲッティ状に絡み合った複雑性が高い課題を扱うのに適したツールだと思います。目前のすぐに解決できること、因果関係だけを抜き出すツールは他にもありますが、本当に難しい課題をうまく表現して形に落としていける、そんなツールがMiroだと思います。

まだまだ進化を続けるコドモン

岡村: コドモンは多くの保育や教育現場の方にご支持を頂いていますが、初期設定を大変に思う方もいるなどご負担を強いている部分はあり、頑張らなくても使えるようなプロダクトにしたいです。

活用するうえで、元の業務の複雑さが高い機能ほど活用率が下がりがちなので、そんな機能を開発する際にMiroを活用して議論していきたいですね。また、その上で環境の変化や新たな現場の先生方からの要望に素早く対応できる組織にしていきたいと思っています。

ウェビナーの動画も是非ご覧ください

2023年6月15日、ウェビナー「This is Miro! 第4回 認識のズレを埋め、失敗のタネに早く気づくプロダクト開発」にて彦坂さまにご登壇いただき、インタビューでお届けできなかった内容もお話いただきました。

こんな方にもご参考になる情報です。是非ご覧ください。

✅よいプロダクトや本質的な価値を社会に届けるプロセスを知りたい
✅ユーザーに向き合うプロダクト開発方法に興味がある
✅エンジニアリングチームの理想的なあり方に興味がある
✅DXや新規事業、システム内製の進め方に興味がある
✅Miroについて知りたい、Miroの導入を検討中

ウェビナーで利用したMiroボード

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