ふりかえりというと、製品チームだけのもののように感じるかもしれません。しかし実際には、ふりかえりは あらゆるタイプのチームやプロジェクトに貴重な会議です。
ふりかえりでは、チームが一堂に会して自分たちの仕事について話し合い、今後のプロセス、コミュニケーション、関係性、アウトプットを改善する方法を確認します。反省し、つながり、そして最終的には向上するチャンスなのです。
しかし、チームふりかえりのメリットを享受するには、効果的に実施する準備が必要です。そのため、どのようなタイプのチームであっても始めやすいように、人気の Miro ふりかえりテンプレートをまとめました。
1.「帆船のふりかえり」で前進させる要素と妨げる要素を理解
チームに自分たちの仕事を振り返るよう求めるだけでは、漠然としていて、方向性を見失いかねません。アジャイルコーチの Johanna Torstensson が作成した帆船のふりかえりテンプレートは、こうした項目を整理してインパクトのある方法で伝達できる、楽しく視覚的な方法です。
帆船のふりかえり技法では、チームで次の 5 つの事柄を特定するよう注力します。
- 南国の島:一緒に達成しようとしている目標
- 風:その目標に向かわせる推進力
- 太陽:一緒に仕事をする中で、楽しく感じること
- 錨:チームの足を引っ張っているもの、足かせとなっているもの
- 暗礁:プロジェクトや将来の仕事を危険にさらす可能性のある潜在的なリスク
2.「ゴロカンス島でのふりかえり」で楽しく改善
帆船のふりかえりテンプレートと同様に、ソフトウェアエンジニアで作家の Clyde D’Souza が作成した「Retrospective In the Island of Golocans(ゴロカンの島でのふりかえり)」テンプレートは、楽しい航海をテーマにチームの仕事を振り返る機会を与えてくれます。
このテンプレートには 4 つのエリアがあり、それぞれが異なる特徴を持っています。チームは、それぞれのスポットを訪れ、以下のことを確認します。
- 甘い果物:これまでの共同作業でうまくいったことは?
- 隠された金:素晴らしい仕事に対しておくる賞賛は?
- 海岸の海賊:一緒に仕事をしていてうまくいかなかったことは?
- ボトルメール今後、力を注ぐアクションアイテムは?
これらの島々をどのような順番で訪れても構いません。ふりかえりの重要な要素すべてに取り組むことができます。
3.「祭典のふりかえり」であなたの作品をメインステージへ
スクラムマスター兼アジャイルデリバリー マネージャーである Joel Blackie による祭典ふりかえりテンプレートは、一般的に祭典で行われるテーマに基づいています。他のテンプレートと同様に、チームは 4 つの異なる側面について話し合います:
- メインステージ:見どころは?チームでうまくいったこと、楽しかったことは?
- 占い師:事前に知っておきたかったことは?
- 救急テント:ペインポイントは?うまくいかなかったことは?
- アクション:今後、もっとうまくやるには?
このテンプレートは、困難な、あるいは負担の大きい会話を、はるかに親しみやすい(そして楽しい)形式に分解します。
4.「真夜中の帆船ふりかえり」でさらに深部へ
ビジュアル体験デザイナー、Lucie Agolini による「真夜中の帆船ふりかえり」テンプレートでは、人気の帆船ふりかえりがさらに深まります。従来の帆船テクニックに基づいて、さらに深みを加えています。
何を目指しているのか、どのようなリスクに直面する可能性があるのか、どのようなことが推進力となり、またどのようなことが後退させたのか、など従来の帆船ふりかえりで実施すること全てが盛り込まれています。
しかし、このテンプレートには他の項目も追加されました。ボードの左側には、議題を書き込んだり、ボードの使い方を参照したりできるスペースがあります。そして右側には、優先事項の上位 6 項目をドラッグし、それらの改善に役立つ行動や原則を特定することができます。
5.「薔薇、棘、蕾のふりかえり」でチームの開花をサポート
H&R Block が作成した「薔薇と棘と蕾のふりかえり」テンプレートを使って、重点分野を特定し、次に焦点を当てながら左から右へと進みます。
- 薔薇:うまくいっていることは?
- 棘:うまくいっていないことは?
- 蕾:発展させるべきものは?
各エリアについて話したら、クラスター化してパターンを特定し、テーマ別の付箋を使って名前を付けます。
6.「良い点、悪い点、アイデア、アクション、称賛のふりかえり」で充実したふりかえりを実施
ふりかえりは貴重なものですが、もっとうまくやるにはどうしたらいいかを常に話していると、少し気が滅入ってしまいます。
d.labs による「Good, Bad, Ideas, Action, Kudos Retrospective(良い点、悪い点、アイデア、アクション、称賛のふりかえり)」テンプレートは、何がうまくいき、何がうまくいかなかったか、改善するためのアイデア、それを実際に実現するためのアクションステップなど、一般的なふりかえりの要素を提示します。
しかし、このテンプレートには、チームメンバーが他のメンバーの貢献や仕事の質を称え、賞賛するためのセクションもあります。
7.「熱気球ふりかえり」で新たな高みへ
スクラムマスターである Christian Maniyar の「熱気球ふりかえり」テンプレートを使って、何がチームのスピードアップに役立ち、何がスピードダウンさせるのかを把握しましょう。
他の比喩的なふりかえりテンプレートと同じように、チームで仕事のさまざまな側面について一緒に話し合います。熱気球でのアプローチでは、次の項目を合意します。
- 晴天:この先にある前向きなこと。
- 熱気:背中を押してくれるもの。
- 嵐の雲:これから起こる問題や障害。
- 土嚢:停滞させたり、妨げたりしているもの。
熱気球は、ふりかえりを通して、チームがさらに高く舞い上がるためのシンプルでわかりやすい仕組みです。
8.「4L モデル」テンプレートで定番テクニックを活用
4L ふりかえりは、従来から定評のある手法です。このタイプのふりかえりでは、チームが「良かったこと(liked)」「学んだこと(learned)」「足りなかったこと(lacked)」「望むこと(longed for)」を振り返ります(英語の頭文字が「4 つの L」の名前の由来)。
Miro による「4L ふりかえり」テンプレートは、シンプルで直感的な方法で、これらの各領域について話し合うことができます。このボードには、「L」ごとに四角いスペースがあり、そこでチームと話し合いをしたり、関連する付箋を追加したりすることができます。
9.「原子の習慣ふりかえり」で行動習慣を改善
ふりかえりでは、必ずしも仕事そのものではなく、チームに焦点を当てたいと考えているかもしれません。会話は、プロセスややり取りの改善方法が目的で、必ずしも製品やプロジェクトを改善する方法ではない場合があります。
Workshop Wednesday による「原子の習慣ふりかえり」テンプレートは、こうしたことの助けとなる素晴らしいツールです。より良い習慣を構築するために協力し合うことができます。まず、無くしたい習慣を特定し、チームの価値観を一致させ、どのようなシステムを構築または改善する必要があるかを特定します。
その土台が整ったところで、どのように改善していくかを明確にし、互いをサポートし責任を持たせるための合意書を作成することで、行動を起こす準備が整います。
10.スタート、ストップ、コンティニューのふりかえりで流れを作る
スタート、ストップ、コンティニューも定番テクニックですが、Laura Timmins によるこちらのテンプレートでは、やめるべきこと、実施すべきこと、継続すべきことについて話し合うための専用の場所が用意されます。
また最後には、共通のテーマを特定し、チームが取るべき行動やまだ答える必要のある質問を引き出すための専用セクションも用意されています。