1on1 ミーティングとは?目的や効果、正しい実施方法を詳しく解説
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1on1 ミーティングとは?目的や効果、正しい実施方法を詳しく解説

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「1on1ミーティング(1 on 1 meeting)」とは部下の育成やモチベーション向上のために 行われる、上司と部下による1対1の定期的な面談のことです。

部下が抱えるキャリアにおける悩みや相談内容、仕事場、プライベートに関してカジュアルな 話し合いをする場を設けて、部下の成長やストレスの緩和、モチベーションの向上を促すことが できます。

特に、リモートワークやハイブリッドワークが進んだ現在のDX時代では、部下と上司の コミュニケーションが希薄になってしまい、メンタルの不調やモチベーションの維持も 難しくなっているため、1on1ミーティングの重要性が高まっています。

この記事ではそんな1on1ミーティングについてやその目的、実施するメリット、方法に ついて詳しく解説しています。

記事の最後にはおすすめのオンラインツールやテンプレートもご紹介しているので、 ぜひご確認ください。

それでは1on1ミーティングについて見ていきましょう。

1on1ミーティングとは?

上記でも少しご紹介したように「1on1ミーティング」とは部下と上司が定期的に行う 1対1の面談・ミーティングのことであり、人材育成やモチベーション向上のために実施されます。

このミーティングは、週1回ないし月1回のペースで行われ、部下が抱えるキャリアにおける 悩みや相談内容、仕事に対するカジュアルな会話をすることで、部下の成長促進、モチベー ションの向上を測ることを目的としています。

ヤフーが導入したことで注目されるようになり、現在では多くの企業が1on1ミーティングを 導入するようになってきています。

1on1ミーティングを実施する目的

1on1ミーティングを実施する目的は「部下の成長を促進すること」や「部下と上司の立場的 距離を縮めること」「部下の仕事に対するモチベーションを向上すること」などが挙げられます。

週1回または月1回に15~30分程度のミーティングを行い、部下のキャリアに対する悩みや 仕事場・プライベートに関してのカジュアルな会話をする機会をこのミーティングを 通して設けます。

会話をした内容について上司が真摯にヒアリングしフィードバック・アドバイスをすることで、 部下はキャリア形成に対する計画や自身の悩みを払拭することができ、健全なメンタルで業務を 進められるようになります。

また、上司も部下が進みたいキャリアの全体像を知ることで、仕事場においてのキャリア形成に 合った環境の構築やスキルアップに対するリソースの提供も効果的にすることができるように なります。

つまり、1on1ミーティングを通して部下の成長を促すことで、長期的な組織力の強化も図る ことができるようになるのです。

1on1ミーティングのメリット&デメリット

それでは、定期的に1on1ミーティングをすることで、どのような効果が得られるのでしょうか?

ここでは、1on1ミーティングを実施することで得られるメリットや意識しておきたいデメリット について見ていきましょう。

1on1ミーティングのメリット

メリット1:部下の成長・モチベーションを向上できる

1on1ミーティングを実施することで、部下の成長やモチベーションを向上することができます。

このミーティングを通して、部下が抱える課題や悩みに対しての解決の発見を建設的に上司と 行うことで、部下が持つ振り返りの習慣や課題発見、解決の能力を向上することができます。

部下にとっては自身のキャリア形成に必要なことについて客観的な視点で見たり、新しい視点を 上司から得ることができる場でもあるので、キャリア開発のきっかけ作りにもなります。

メリット2:部下と上司の信頼関係を構築できる

1on1ミーティングは部下と上司の信頼関係を構築する場としても重要なミーテインングです。

このミーティングを定期的に行うことで、部下と上司の精神的や立場的な距離を縮めることが できるため、信頼関係が構築され、ミーティングの場でなくても気軽に相談をすることが できるようになります。

1on1ミーティングにおいては必ずしもキャリアや業務に対しての相談をしなければならない ということはありません。

上司と部下が人間関係やプライベートについても話すことで、より強い信頼関係が構築され、 仕事場での心理的安全性が高まるため、自然と部下のパフォーマンスも向上します。

メリット3:組織全体の生産性を向上できる

1on1ミーティングを通して心理的な安全性を向上することで、仕事場で部下が新しいアイデアや 意見を出しやすくなり、組織の成長やイノベーションの促進にもつながることでしょう。

このことから、社員一人ひとりのパフォーマンスやモチベーションを高く維持できる職場を 構築することができるため、組織全体の生産性の向上にもこのミーティングが貢献します。

そのため、1on1ミーティングは、組織デザインツールとしても注目を集めています。

組織デザインに役立つツールの詳細はこちら →

メリット4:離職率を低下できる

部下の職場や業務に対するパフォーマンス、モチベーションの向上や上司とのコミュニケー ションの改善は、将来的な離職率の低下にも貢献します。

1on1ミーティングでのオープンな会話を通して、部下が抱える悩み事やストレスを解決する ことで、部下がより働きやすい環境を上司が構築していくことができるのです。

1on1ミーティングのデメリット

1on1ミーティングの実施には以下のデメリットも存在します、ここでは詳しく説明しませんが、 これらのデメリットにも意識して、より効果的な1on1ミーティングを実施できるようになりま しょう。

  • 部下と上司の貴重な業務時間が使用される

  • 部下が多ければ、上司の負担も大きくなる

  • 上司が誤った形式で実施した場合、部下にとっては好ましくない時間になる

  • 上司と部下の相性が悪い場合には、逆効果になってしまう

1on1ミーティングと人事評価面談との違い

1on1ミーティングは、上司と部下が実施する1対1のミーティングであることから、人事評価を するための場であると誤解して実施されてしまうケースも少なくありません。

せっかく上司と部下がオープンな会話を通して信頼関係を築く場として重要な1on1ミーティング であるにも関わらず、ただの人事評価をするための場になってしまった場合、効果的に部下の パフォーマンスやモチベーションを向上することができません。

また、週1または月1で上司に人事評価をされては、部下にとってもただのストレスフルな ミーティングとなってしまい、逆に上司と部下の溝が大きくなってしまうリスクもあります。

ここで1on1ミーティングと人事評価面談との違いをよく知り、部下に対して上記のような ミスをしないようにしましょう。

具体的な違いは以下の通りです。

1on1ミーティング

  • 実施する目的:部下の成長・モチベーションの向上。上司と部下の信頼関係の構築。(部下主体)

  • 話す内容:キャリアからプライベートの相談まで、部下が話したい内容。(部下主体)

  • 実施頻度:週1回ないし月1回程度。

人事評価面談

  • 実施する目的:部下の業務におけるパフォーマンスの管理・評価。(組織・上司主体)

  • 話す内容:目標や進捗、KPIに関すること。(組織・上司主体)

  • 実施頻度:四半期に1回~年に1回程度。

人事評価面談で使えるテンプレートの詳細はこちら →

1on1ミーティングが注目されるようになった背景

1on1ミーティング注目されるようになった背景には以下の3つが挙げられます。

  • ヤフー株式会社が1on1ミーティングを導入

  • VUCAの時代に対応する手段として1on1が活躍

  • DX時代におけるリモートやハイブリッドな仕事環境の管理・改善

ヤフー株式会社が1on1ミーティングを導入

ヤフー株式会社(以下ヤフー)は、2012年に1on1ミーティングを導入しました。

この背景には、スマートフォンの普及によるビジネス環境の変化と、社内コミュニケーションの 強化が求められたことがあります。

当時、ヤフーは従来のPC中心のビジネスから脱却し、変革が必要な時期にあり、その過程で 社員同士のコミュニケーションが希薄になりがちであることを問題視したのです。

特に上司と部下の交流が不足していることが浮き彫りとなり、これを改善するために1on1 ミーティングが導入し、コミュニケーションを改善したところ、混乱やトラブルがなくなり、 業務も効率化されました。

VUCAの時代に対応する手段として1on1が活躍

VUCAは、Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、 Ambiguity(曖昧性)の頭文字を取ったもので、現代のビジネス環境を特徴づける言葉です。

このような時代においては、従来の固定的な経営手法やリーダーシップスタイルでは十分に 対応できないことが多くなっています。

組織は柔軟性や適応力を求められ、社員一人ひとりの成長とエンゲージメントが非常に重要 となり、これらを支援するためのツールとして1on1ミーティングが導入されるようになりました。

VUCA時代において、1on1ミーティングは組織の柔軟性と適応力を高めるための重要な手法です。

上司と部下の定期的な面談を通して部下の成長を支援し、エンゲージメントを高めることで、 変動するビジネス環境に対応する力を養うことができます。

DX時代におけるリモートやハイブリッドな仕事環境の管理・改善

DX(デジタルトランスフォーメーション)企業がデジタル技術を活用してビジネスモデルや プロセスを革新し、競争力を向上させるための取り組みです。

DXは単に技術の導入だけではなく、組織文化や働き方の変革も意味し、このような変革の中で、 社員一人ひとりの能力を最大限に引き出し、適切に育成することが重要であることから1on1 ミーティングが注目されるようになりました。

DX時代における1on1ミーティングは、リモートワークやハイブリッドワークが主流となる中で、 技術革新と組織の適応力を高めるための重要な手法です。

上司と部下の定期的な対話を通じて、個々の成長を支援し、組織全体のパフォーマンス向上に 貢献することができます。

エンゲージメントの向上やイノベーションの促進など、DXの成功に必要な要素を育むため にも、1on1ミーティングは不可欠なツールと言えるでしょう。

1on1ミーティングの実施方法

ここまで1on1ミーティングについてやその効果、導入されるようになった背景について 詳しく知っていただけたと思います。

ここでは、実際、どのように1on1ミーティングを実施することができるのか、いくつかの ステップを通して見ていきたいと思います。

Step 1:1on1ミーティングをする目的を伝える

まず、1on1ミーティングを実際に行う前に、このミーティングの意味や目的を伝えるように しましょう。

目的を明確にすることで、どのようなトピックでミーティングを進めるのかや、どのような 議論をしたいのかなど、上司と部下の両方で準備を行うことができるようになります。

また、1on1ミーティングの実施時間(15分〜30分程度)についても事前に共有しておくことで、 部下の仕事に対するメンタル的な不安も軽減できます。

そのため、目的や詳細を事前にはっきり伝えておくことは、効果的な1on1ミーティング実施に おいて重要なことです。

Step 2:各1on1ミーティング前にアジェンダを決めておく

1on1ミーティングを実施する前には、いつも話す内容や質問事項(アジェンダ)を決めて おくようにしましょう。

オンラインのカレンダーや記録ドキュメントなどにアジェンダをまとめておくことで、限られた 時間内にその時の目的に合った会話をすることができます。

アジェンダを準備してなくて、実際に何を話したら良いのかや、会話も内容が曖昧になって しまい、結局何について話し合ったのかなど、部下・上司ともに無駄な時間を過ごしてしまう ことになります。

そのため、各ミーティングの開催前には、事前にアジェンダやテーマを決めて、共有するように しましょう。

アジェンダの共有に役立つテンプレートの詳細はこちら →

Step 3:スケジュールと場所を決める

次に、ミーティングを実施するスケジュールと場所を設定します。

1on1ミーティングは、定期的に行うことが重要であり、一般的には週に1回、30分程度の時間を 確保して実施します。

また、部下と上司の両者との負担にならないように、どの時間がお互いに理想的なのかも 相談しましょう。

実施する場所もオンラインまたはオフラインのどちらが理想なのか話し合って判断し、 業務や部下の状況を加味して設定するようにしましょう。

Step 4:1on1ミーティングを実施する

上記の準備が終わったら、決定したスケジュールで1on1を実施しましょう。

スタートの仕方はアイスブレイクや趣味の会話など、まずは部下が上司とリラックスして面談が できる環境作りが重要となります。

また、1on1の導入において重要なのが、話した内容を毎回記録しておくことです。

ドキュメントやオンラインツールなどに話した内容を記録しておくことで、実際の課題が 解決できたのかや、キャリア形成においてどの段階に部下がいるのかなど、継続的な管理を 実現できます。

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Step 5:1on1ミーティングは継続的に続けること

1on1ミーティングの効果を最大限活用するためには、継続的な実施が重要です。

部下と上司がオープンに話せる機会を常に持ち続けることで、少しずつ信頼関係が構築されて いき、部下のモチベーションやパフォーマンスも向上していきます。

1on1の後には、その日にどのようにミーティングに取り組んだのかや、どのようにして以前に 話した内容からの進歩を得られたなどの詳細を振り返り、ベターなミーティングを次回に できるようにPDCAサイクルを回していくことも大切です。

▼ 関連ページ PDCA とは?事例を使った回し方やOODAループとの違いを解説

1on1ミーティングの効果を高めるためのポイント

最後に、1on1ミーティングの効果をより引き出すためのポイントについてご紹介します。

これらのポイントを押さえながらミーティングを実施することで、部下とより効果的な コミュニケーションを図りながらミーティングを進めていくことができます。

部下の視点に立って話を聞く

これはどの組織においても上司が身に付けておきたいスキルの1つであり、部下の視点に立って 話の内容を理解することで、より的確なフィードバックやアドバイスをすることができるように なります。

初めのうちは人事評価面談や業務連絡のように必要なことを一方的に伝えてしまいがちですが、 あくまで1on1ミーティングは部下の時間であるため、仕事で話したいことがあってもまずは 部下の話したいことに耳を傾けるようにしましょう。

また、上司は部下の悩みや相談を引き出すための「コーチングスキル」や「フィードバック スキル」も改善していくことで、部下にとってより有意義な1on1が実施できるようになります。

それぞれの部下に対しての理解を深める

部下の悩みや課題は十人十色。

一人ひとりの性格や特性、スキル、シチュエーションに合わせて1on1ミーティングの内容も 最適化していく必要があります。

そのため、上司はそれぞれの部下に対しての理解を日々の会話や業務の中で観察し、 理解していくことが重要です。

各部下にあった1on1ミーティングを実施することで、より効果的に信頼関係も構築していく ことができるようになるのです。

いつでも会話ができるように準備をしておく

部下によってはまだ信頼関係が築けていなく「プライベートや個人のことは話したくない」 「まず、話したいことがない」と思う人もいるかもしれません。

このような場合、上司も振れる話題がなく、気まずい雰囲気になったり、スケジュールを 設定したにも関わらず得られるものがないと、部下から思われてしまい、帰って逆効果にも なってしまうケースがあります。

このような事態に陥らないように、上司は、念の為に振れるような会話やテーマを事前に 決めておいたり、日々のやり取りの中で部下の信頼関係を築いておくのも効果的な1on1 ミーティングを実施する上で大切です。

まとめ

1on1ミーティングは、上司と部下が定期的な面談を実施することで、部下の成長と組織全体の パフォーマンス向上を目指す手法です。

このミーティングは週に1回、30分程度の時間を確保し、部下のキャリア目標や業務上の課題、 将来のビジョンなどについて話し合います。

1on1ミーティングの主な目的は、部下の自主性を引き出し、成長を促進することにあり、 上司は部下の話に耳を傾け、具体的なフィードバックを提供しながら、部下自身が課題解決の 方法を見つけられるようにサポートします。

また、1on1ミーティングは部下のエンゲージメント向上やモチベーション維持にも役立ち、 定期的な対話を通じて、部下の悩みや事情を理解し、個別に対応することで、離職防止や パフォーマンス・モチベーションの向上にもつながります。

1on1ミーティングは、DX(デジタルトランスフォーメーション)のような変化の激しい ビジネス環境において、柔軟性と適応力を高めるための重要な手法でもあるため、今後の 組織活動として検討してみてください。

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