
ベン図完全ガイド | 書き方と例について徹底解説

ベン図とは、複数のコンセプトの集合の関係や範囲を視覚的に整理、分析するためのシンプルな図です。
このロジック図を活用することで、コンセプトや情報の類似点と相違点を見える化することができ、詳細な情報の比較や効果的な意思決定に役立てることができます。
ベン図にアイデアやコンセプトを書き出すことで、その関係や傾向が一目で理解できるようになり、効果的な分析や意思決定が可能になります。Miro を使用して見やすいベン図のデザインを作成し、情報の比較や共通点の発見をしましょう。
ベン図とは?
ベン図とは、円が重なり合ってできた図形の一種です。それぞれの円は異なるコンセプトやデータを表し、重なり合う点は情報ごとの共通性を表しています。
このような視覚的特徴から、ベン図はデータの比較や共通点の分析、確率の測定に優れた図形となっています。
この図は、複数のコンセプトの相違点と類似点を明確化することに役立ち、ビジネスや教育の分野で広く使用されています。また、数学、統計学、社会人類学などでも人気の図形です。
ベン図の歴史
ベン図は 1800年代にイギリスの論理学者ジョン・ベンが最初に考案しました。しかし、ジョン・ベンよりも前に類似した図が1200年代に作成されていたことが他の学者によって発見されています。
この発見から、中世の哲学者たちが科学的でありながらビジュアルを通して情報を表現できるこの図形を用いて、数学や産業革命以前の工学をより深く理解しようとしていたことがわかります。
ベン図の記法例
ベン図には色々な記法があります。3つの円でできたベン図が最もポピュラーなものですが、ベン図は他の記法でも作成することができ、それぞれの図形が異なる目的で使用されています。

2つの円でできたベン図
2つの円が中心で重なり合う図形の例:

3つの円でできたベン図
3つの円が中心で重なり合う図形の例:

4つの円でできたベン図
4つの円がひし形状に中心で重なり合う図形の例:
エドワード図
1800年代半ばに、イギリスの生物学者アンソニー・エドワーズによって、ベン図の新しい形が開発されました。彼はこの形式をエドワー図またはEV図(エドワーズ・ベン図)と名付けています。
エドワード図は2~4個の円を持つ代わりに、テニスボールの表面のようなデザインを持っています。このタイプのベン図は、より多くのグループやコンセプトの間で重複する特性を視覚化し、分類することに役立ちます。
通常の2円、3円、4円から構成された図は、より小さなコンセプトグループのデータを分析することに役立ちますが、エドワード図はより広い視野で情報を分析することに役立つ図形です。
ベン図を使用するメリット
マーケティング分析から数学までベン図は、さまざまなシチュエーションで活用できる図形です。ここでは、ベン図を使用するいくつかのメリットをご紹介いたします。
1. ブレインストーミングに便利
アイデアのブレインストーミングや問題の根本的な解決にベン図が活躍します。円が示すアイデアや問題の関係性を分析し、新しいアイデアの発見や戦略的な意思決定に情報を使用しましょう。
2. 2つ以上の要素の関係を見える化できる
ベン図の円が重なった場所は、異なるコンセプトごとの共通点を示しています。円が重なってできた複数の共通点を分析することによりコンセプトごとの関係性を見える化し、より深く理解することができます。
3. 選択肢の比較
比較対照のベン図は、ビジネスでもよく使用される図形です。ビジュアルを通して情報の比較を行うことで、より具体的な情報に基づいた意思決定を実現することができます。

4. 情報を視覚的に整理して表現する
ベン図は、複数のメンバーが共通の理解を持つためのビジュアル言語としても機能します。会議やプレゼンテーションなどでこの図を使用することで、アイデアの共有や整理が簡単にできるようになります。
5. 数学にも応用
ベン図は何世紀もの間、数学や化学の分野で使用されてきました。数学においてベン図はコンセプトやアイデアを比較するためのツールではなく、視覚的に数字を比較し、確率を割り出すための図形として役立ちます。
ベン図が活躍するケース
ベン図は、コンセプト間の関係を測定・分解するための情報としてさまざまなシチュエーションで使用されます。 どうのようなケースでこの図が活用されているのか以下にまとめました。
教育分野
ベン図が人気の理由の1つとして、記号や情報が誰でも理解できるシンプルなデザインであるということがあります。
そのため、この図は教育現場でも使用されており、確率や対象物の関連性の分析の基礎を学ぶために活躍しています。

意思決定プロセス
ベン図は意思決定において優れたツールです。意思決定において複数の情報を考慮に入れなければならない場合にベン図を使用することで、多角的に情報を分析することができ、どの選択肢がベストな結果をもたらすのか判断することができます。
例えばビジネスアイデアのリストを作成し、どれが最善のアイデアなのか選択するとしましょう。ベン図の重なり合う点を分析することで、どのアイデアが一番収益性が高く、需要を発生させるものなのか特定することができ、最善の選択をすることができるようになります。
数学
数学の分野でベン図は数字どうしの論理的な関係を示し、確率的な結果を算出するためのツールとして使用されます。
例えば、数学者はベン図を使って、異なるグループの部分集合や数値間の相関関係を示すことができます。
ベン図はデータの計測や比較に使用することができるので、数値の分析に便利な図形だと言えるでしょう。
統計学
ある事象の結果を推定・予測する場合、あらゆる可能性を可視化するためのツールが必要となります。そのようなケースに活躍するツールとしてベン図は、統計学や確率論の分野で役立ってきました。
論理学
ベン図は、非常にわかりやすく論理的な構造をしています。異なるコンセプトやアイデアを均等に配置された円に分けることで、多様なアイデアの関係を視覚的に理解しやすくなるのです。
コンピューター
現代のコンピュータサイエンスではデータ言語が表すクラスを可視化したり、論理演算をする際にベン図が使用されます。複数のコードの関係をビジュアルを通して分析することで、より合理的なシステムを開発することができるようになります。
ビジネス
ベン図はビジネスで非常に人気の図形です。ビジネスでは常にデータの比較が必要であり、この図で分析したデータをビジネス戦略やマーケティングキャンペーンに活用することができます。

ビジネスプレゼンテーションにおいても、クライアントやチームに情報をより理解しやすい形で共有するためのツールとしてベン図が便利です。
言語学
ベン図は異なる言語や方言などの研究においても活躍している図形であり、言語間の共通点や相違点などの複雑な関係を分析する際に使用されます。
ベン図の記号&用語
ベン図には使用される記号や用語があります。以下でその記号と用語について学びましょう。
集合
コンセプトや要素の集合のことを指し、集合の中に存在する情報は「オブジェクト」や「メンバー」と呼称されることもあります。
部分集合
異なるコンセプトやアイデアを表現した2つ以上の円が重なりあった集合のことを指します。
共通部分
すべての図形が重なってできたベン図の中心点のことを「共通部分」と呼びます。
和集合
ベン図内にあるすべての要素を含む集合のことを「和集合」と呼びます。
空集合
一つも要素を持たない集合のことを空集合と呼びます。
補集合
「集合」に属さないが「和集合」に属すベン図のことを「補集合」を呼びます。
U 記号(∪)
数学的に「集合」を表現するために使用される記号を「U記号」と呼びます(例:A U B ベン図)。
共通部分記号(∩)
数学的に「共通部分」を表現するために使用される記号を「共通部分記号(∩)」と呼びます。
補集合記号
ベン図内の「補集合」を表す記号です。
ベン図の書き方
ベン図の書き方にはさまざまな方法があります。適切なテンプレートを使用することにより、情報の比較や対象分析を効率良く実行することができます。
Miro の直感的な使用が楽しめるベン図テンプレートを使用してベン図を作成する方法を下記でご紹介いたします。
ステップ1:
まずベン図に記入したい情報や要素、アイデアをすべて書き出しましょう。このデータの集まりが今から作成する図の「集合」となります。
ステップ2:
次に、どのタイプのベン図で図形を作成するのか決めましょう。例えば、3つのコンセプトの類似点と相違点を分析するためには3つの円のベン図が必要となります。
ステップ3:
各コンセプトや情報ごとに円を記入していきます。Miro のテンプレートにはすでに3つの円が記入されていますが、必要に応じて円を追加したり、削除したりすることができます。
ステップ4:
各コンセプトを表す円を類似性と相違性に応じてボードに追加していきましょう。 円 A と円 B の間に類似性がある場合、その2つの円を類似性のレベルに合わせて 重なり合わせ、重なり合った場所にその名称を記入します。
例えば、ある要素が円 A、B、C の重なり合った点を示している場合、その交差する場所の中にその名称を記入することができます。これが図の交点となります。
ステップ5:
すべてのセットを図に追加したら、色や、付箋、コメント機能などを使用してわかりやすくデザインしましょう。
作成したベン図をチームで共有し、チームメンバーにタグを付けて意見や感想を求めることもできます。
ベン図と集合論
上記でもご紹介した通りベン図は広い分野で活躍する図形です。このセクションでは「集合論」と呼ばれる数学の分野でこの図がどのように使用されるのか見ていきましょう。
集合論は、集合の性質を分析する数学の分野を示しています。この分野では、複数の対象(数)を一度に比較するため2〜4つの円がベン図で使用されます。
集合論において、この図形は、ある数のグループに共通する性質を決定する集合論の方程式をわかりやすく説明することに役立ちます。
「集合」はベン図内のコンセプトの集まりのことを指し、各円は「和集合」の各コンセプトを表します。例えば、2つの円でできたベン図が存在するとしましょう。
1つの円は赤色で、もう1つの円は青色で分類されています。この2つの円自体は異なるコンセプトを表現したものですが、これらの円が重なり合う中心点を「共通部分」と呼びます。 この共通部分は、赤色と青色を混ぜた紫色で表現することが可能です。
ベン図を使った確率の計算
ベン図は確率の計算にもよく使用されます。ベン図で計算した確率は、あるシナリオの結果を予測に役立てることができます。
例えば、ある事象が発生する確率を計算するために2つの円のベン図を使用するとしましょう。この場合、円の中にコンセプトやアイデアではなく、数字を記入します。
ベン図を使って、さまざまな事象の確率を計算する方法を、トランプの箱を例にとって説明しましょう。ジョーカーを除く52枚のカードが1つのパックに収められています。 ハートやスペードなどの4つのマーク(またはスート)があり、各マークにはエースからキングの13種類のカードが存在します。
もし、クイーンかハートを選ぶ確率を知りたいとしましょう。図内の長方形はすべての結果、つまり52枚のカードすべてを表しています。 1つのパックにクイーンが4枚入っているので、クイーンを選ぶ確率は4/52で、ハートを選ぶ確率は、13/52です。
しかし、そのうちの1枚は、クイーンとハートの両方です(ハートのクイーン)。円は、このカードが両方のセットに入っていることを示すために重なっています。

ベン図で結果を可視化することで、ハートのクイーンがダブルカウントにならないようにします。
ベン図をもとに、次のような計算をしましょう:
4+13ー1=16
ここからクイーンかハートを選ぶ確率は、16/52であることが計算できます。
このような確率の計算はプロジェクトの成功率、顧客数の予測、マーケティングキャンペーンの結果など、さまざまな出来事や状況の確率を判断するのに役立ちます。
このように、確率はビジネスの成功に大きく貢献することができるのです。
ベン図を使った比較対照
ベン図の最も一般的な使い方は「比較対照」であり、アイデアをブレインストーミングする際に役立ちます。
比較対照のベン図は視覚的に理解しやすく、単純な構造に分解して分析することができます。
例えば、比較対照のレポートを作成する場合、選んだトピックごとの主な違いを明確にするために、この図を使うことがあります。
具体的な情報を持つ比較対照のレポートを書くには、対象の生来の特徴と違いについて深く理解する必要があります。
まず、主なトピックや比較の対象を表す2~4つの円が重なり合ったベン図を描きます。
次に、重なり合うスペースに交差するトピックが共有する特徴を記入しましょう。外側のつながりのないスペースにはそのトピック特有のタイトルを記入し、違いを表現します。中央の交差点はすべてのトピックに共通するものを表します。
比較対照レポートを作成する前にベン図を使用して、トピック間の関係性を明確にすることで、具体的な情報を持ったレポートを完成させることができます。
ベン図とオイラー図の違い
ベン図とよく似た図にオイラー図があります。オイラー図もベン図も集合論に基づいており、集合間の関係を示す円から構成されています。しかし、これらの図は同じものではありません。
ベン図は異なる集合間の関係性を示し、一見関連性のない要素でも可能性のある関係性として示します。
一方でオイラー図はすでに存在する交点の組み合わせや関係のみを示す図であり、各集合の円が必ずしも重なる必要がありません。
ベン図とオイラー図を見分けるコツは、空の共通点があるかどうかを見ることです。 ベン図ではたとえ共通点がなくても、集合間の交点を描かなければなりません。 しかし、オイラー図では空の交点が存在しません。
オイラー図はベン図よりも複雑な構造になることがありますが、複雑な階層の説明、重複する定義の描写、論理的な議論が成立しているかどうかの判断などに活躍する図形です。

ベン図の活用例
ここでは、ベン図がどのようにしてビジネスで使用されるのかの例をご紹介いたします。
例えば、組織内の異なるチームの担当やタスクを比較し、より効率的なワークフローを実現したいと仮定しましょう。
ここでは、マーケティングチームを円 A とし、Web 開発チームを円 B で表し、これらのチームの関係性を分析します。
マーケティングチームはデータ分析、法的管理、ユーザー調査、ソーシャルメディアキャンペーン、ブランドマネジメントなどを担当しています。
一方で Web 開発チームは、UX・UI デザインやブランドマネジメント、品質テスト、SEO分析、プロジェクトマネジメント、ユーザー調査、データ分析を担当しています。
このベン図の例では、マーケティングチームと Web 開発チームの担当である、データ分析、ブランディングマネジメント、ユーザー調査などの担当領域が交差することが見て取れます。 すなわち、これらの担当内容は、マーケティングチームと Web 開発チームが共有または分担できる担当領域であるということが理解できます。
ベン図は、あらゆるコンセプトや情報間の関係や相違点を明確化することに役立つ図形です。 ビジネスにおいては、ブレインストーミングや、戦略策定、議論においてのインサイト収集にベン図が非常に便利です。
まとめ
ベン図は複数の集合の関係や範囲を視覚的に整理にすることに役立つ図の1つです。この図を通して情報を視覚的に表現することで、情報の比較や分析をより簡単に行うことができます。
また、この図は学業からビジネスにいたるまで広い分野で活躍する図形です。ベン図を作成してどんなに複雑な情報でも図解して理解できるようにしましょう。
オンラインコラボレーションスペースである「Miro」では図形の作成や共有、編集をいつでも簡単に実行することができ、作業の効率化や生産性の向上に貢献します。
以下のリンクからベン図作成に便利なツールやテンプレートをご覧ください。