UMLガイド | ユースケース図とは?書き方や気を付けたいポイントをわかりやすく解説
ユースケース図についての画像

UMLガイド | ユースケース図とは?書き方や気を付けたいポイントをわかりやすく解説

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要件定義フェーズでよく使用されるユースケース図ですが、あまりピンとこない方もいるのでは ないでしょうか?

ユースケース図を作成することで、開発するプロダクト・サービスがどのようにしてユーザーに 使用されるのかがイメージしやすくなり、分析した情報をそのまま開発作業に反映することが できます。

また、この図は理解しやすいという点でも人気の図であり、特にさまざまなチームが参加する 部門横断的なプロジェクトでは、情報共有ツールとしての役割も果たします。

この記事では、そんなユースケース図についてやメリット、書き方、作成の際に気を付けたい ポイントなどをわかりやすく解説します。

記事の最後には図の作成におすすめのツールやテンプレートなどについてもご紹介している ので、ぜひご確認ください。

それでは、ユースケース図について見ていきましょう。

ユースケース図とは?

ユースケース図は、UML(統一モデリング言語)の1つであり、ユーザーの視点からシステムの 動的な振る舞いを可視化するための図です。

システムで何ができるかを「ユーザー目線」で表現することで、エンドユーザーが実際の システムをどのように利用するのか具体的なイメージをしながら、システムの開発ができます。

そのため、要件定義フェーズでよく使用される図であり、ユーザーの視点でシステムの動作や システム範囲を見ることができるため、顧客とのコミュニケーションに役立つ図だと言える でしょう。

また、ユースケース図は、他のUML図と比べても非常に理解しやすい図であり、ITに知見が ない人がプロジェクトに参加していても、すぐに情報を理解できます。

なお、ここで言う「動的な振る舞い」とは、実際のシステムの挙動を指しており、各挙動を ユーザー視点で可視化できるため、よりユーザーのニーズに沿ったプロダクト・サービスの 開発が実現できます。

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ユースケース図を活用するメリット

ユースケース図を活用することは、エンジニアだけでなく、プロジェクトチームやクライアント、 特にユーザーにとってさまざまなメリットがあります。

以下でこれらのメリットについて見ていきましょう。

ユーザーの要件を明確化できる

ユースケース図を作成することで、ユーザー要件を可視化したり、見落としていた要件を 洗い出すことができます。

一般的なテキストベースの要件定義書や口頭でのコミュニケーションの場合、開発チームが 同じ要件を理解してシステム開発を行うことが難しくなり、手直しや問題の発生などのリスクも 発生します。

ユースケース図というビジュアルツールを通してユーザー要件を明確にしながら開発作業を 進めることで、各チームメンバーが同じ目線でシステム開発を進めることができ、よりユーザーの要件に 合ったプロダクト・サービスが開発できます。

開発するシステムの全体像を把握できる

システム開発においてユーザー要件の優先度の定義は重要なプロセスの1つといっても過言では ありません。

ユースケース図を使うことでシステムでできること・できないことを「範囲」と「境界」を もとに明確に可視化することができるので、実際にできることに焦点を当てて効率的に開発が 進められます。

情報共有がしやすい

ユースケース図は、クライアントやプロジェクトチームとの認識共有にも役立つツールです。

エンジニアではない人でもシンプルな構造を持ったこの図を見るだけで、すべての要件を すぐに理解することができます。

クライアントにも進捗をユースケース図を使って共有しながら、システム開発を進めていくことで、 フィードバックや追加の要件を反映しながら作業を進めることができます。

ユースケース図にはデメリットはあるのか?

ユースケース図の利用にはこれといってデメリットはありませんが、強いて言うなら 「作成するための工数(お金と時間)がかかる」といったところでしょうか。

要件や受注内容がはっきりしていない段階で、ユースケース図を作成してしまうと、 後で修正作業が発生してしまったりするので、コストの無駄遣いになってしまいます。

納品期間が短かったり、既存のシステムのリプレイス、小規模システムの導入の場合などでは、 作成する必要がないケースもあるので、自社のリソースやプロジェクトの属性に合わせて作成するかどうかを決めるようにしましょう。

ユースケース図で活用する要素と表記法

UMLやシステム開発、要件定義などの言葉が出てくるユースケース図ですが、作成自体に 必要な複雑なルールや覚えておくべきIT用語などはありません。

5つの構成要素と4つの記号を覚えておくだけで、簡単に図が作成できます。

以下で実際のユースケース図の書き方を見ていきましょう。

ユースケース図の5つの構成要素

ユースケース図の作成には、以下の5つの要素を明確化することが必要となります。

アクター

「アクター」とは、システムを利用するエンドユーザーのことを意味します。

エンドユーザーが人でなくても人型のオブジェクトを使って表現し、オブジェクトの下部に アクター名を記入します。

ユースケース

「ユースケース」では、どのようにシステムが利用されるのかを記述します。

実際の使用事例を「誰が」「何に対して」「何ができる」などの簡単な要素に分解して、 情報を明確化します。

ここでは、詳細情報は必要ありません。

サブジェクト(システム境界)

サブジェクトは、システムの境界線を表現するために使用する枠線であり、開発範囲の明確に 役立つフレームワークです。

システム名はサブジェクトの上部に記述して使い、サブジェクトの情報は、システム外の ものであるという意味を表します。

パッケージ

「パッケージ」とは、サブジェクト内で複数のユースケースをまとめるために使われる枠線で あり、ユースケースのグループを表すパッケージ名を上部に記入します。

ノート

ノートは、ユースケース図にメモを残したい時に使用し、付箋のような見た目をしています。

ユースケース図を作成するツールに付箋機能やコメント機能などがあれば、これらの機能を 使ってノートを追加しても良いです。

ユースケース図の4つの記号

ユースケース図ではシステムとアクターの相互作用など、要素間の関係を4種類の記号を 使って表します。

以下でこれら4つの表記法について見ていきましょう。

関連

「関連」記号は、アクターとユースケースをつなげるときに使用する線のことを指します。

汎化

「汎化」記号は、オブジェクトどうしが「汎化関係」にあるということを表すことに 使用する線です。

包含

「包含」は、システム間の境界線を表現するための記号であり、点線矢印の上に 『<<include>>』と書いて包含関係を表します。

拡張

「拡張」とは、拡張するユースケース(機能)を表現する際に使用する線であり、点線矢印の 上に『<<extend>>』と書いて拡張関係を表します。

ユースケース図の書き方

ユースケースで活用する5つの要素と4つの表記法を踏まえて、ここでは、実際のユース ケース図の作り方を簡単なステップでご紹介していきます。

Step 1:アクターを洗い出す

まずはじめに、ユースケース内のエンドユーザーの

となる「アクター」を 洗い出しましょう。

Step 2:アクターごとにユースケースを設定する

次に各アクターが利用するユースケースを設定していきます。

ここで設定していくユースケースは、できるだけ短くシンプルな言葉で記入していきましょう。

Step 3:ユースケース図の構成を決める

Step 1 と Step 2 で定義したアクターとユースケースをもとに、図の構成を考えていきます。

ユースケース図の構成には大枠のユースケース図とより詳細が記入されたユースケース図の 2種類で構成することが理想です。

Step 4:実際にユースケース図を作成していく

上記のステップの後は、ユースケース図に情報を落とし込んでいき、5つの要素や4つの 表記法を活用してユースケース図の解像度を上げていきます。

Step 5:ユースケース図ごとに情報を整理する

ユースケース図は、ビジュアルを使ったシンプルで理解しやすい図ですが、各ユースケースを イメージを使って漠然と覚えていると、認識に齟齬が出てきてしまうことがあります。

そのため、ユースケース図が完成した後は、ユースケースごとに表などを使って情報を 整理しておきましょう。

ユースケース図を作るときに押さえておきたいポイント

ユースケース図は、UML図の中でも非常にシンプルで簡単に作成できる図ですが「ユーザーの 視点で作成されているか」と「表記ルールに沿って作成されているか」の2点のポイントを 押さえながら作成することが重要です。

ユースケース図はあくまで「ユーザー目線でシステムユースケースを表現する」ための図であり、 詳細なシステムの構造までユースケース図に追加する必要がありません。

また、表記ルールを守って作成しない場合、保守性や共通認識に大きな影響を及ぼすことも あるので、しっかいりと表記ルールに沿って作成するようにしましょう。

まとめ

ユースケース図は、UML(統一モデリング言語)の1つであり、ユーザーの視点からシステムの 動的な振る舞いを可視化するための図です。

ユースケース図を作成することで、開発するプロダクト・サービスがどのようにしてユーザーに 使用されるのかがイメージしやすくなり、分析した情報をそのまま開発作業に反映することが できます。

また、ユースケース図の作成には5つの要素と守るべき4つの表記法があり、これらの要素と 表記法を適切に使用することで、誰でも情報が把握できる図が作成できます。

今後のクライアントへの説明資料やプロジェクトチームへの設計図としてユースケース図を 作成する際は、この記事で学んだ内容を実践みてください。

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