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ペルソナとは? 事例を使った設定方法や意味を解説

ペルソナについての画像

ペルソナは、マーケティングや UX・UI デザイン、製品開発の分野で人気のフレーム ワークです。

しかし、普段の業務に何気に使っている「ペルソナ」という言葉に対して、実は感覚的に しかわからないという方も多くはないでしょうか?

この記事では、そんなペルソナについてやペルソナの設定方法、ペルソナとターゲットの 違いについて解説しています。

また、記事の最後には、ペルソナの設定に役立つおすすめのツールやテンプレートに ついてもご紹介しているので、ぜひご確認ください。

ペルソナとは?

ペルソナとは自社の製品やサービスを使ってもらいたい詳細な架空のユーザー像の ことを指します。

名前や年齢、性別、性格、習慣、家族構成など、まるで本当に実在している人のように 設定していくことで、マーケティング戦略や UX・UI デザインの理想的なイメージが しやすくなります。

ペルソナの意味

ペルソナは、もともと心理学用語から来ている言葉であり、カール・グスタフ・ ユングが「人間の外的側面」として初めて提唱しました。

今日のビジネスにおける「ペルソナ」には、ユングが提唱した意味が反映されており、 自社の製品やサービスを利用するユーザーの外的側面や内的側面をペルソナを通して 設定することができます。

ペルソナとターゲットの違い

「ペルソナ」と「ターゲット」というマーケティングでよく耳にする用語は、 よく混同して認識される傾向にあります。

しかし、一見同じような意味で理解できるペルソナとターゲットには、異なる意味や 目的があります。

ターゲットは、マーケティング戦略などで目標とする顧客層やグループのことを指します。

例えば、「40代・男性・管理職」や「20代・女性・主婦」などがターゲットして 設定することができます。

一方で、ペルソナでは、名前や性別、役職、ライフスタイルなどの詳細をターゲットの 中に入れていきます。

つまり、ターゲットがより幅の広い顧客像に対して、ペルソナではよりリアリティの ある顧客像を設定するという点で違いがあると言えます。

ペルソナを設定するメリット

ペルソナには自社製品やサービスを使う顧客のイメージがしやすくなるというメリットの 他にも、社内プロセス改善に対する多くのメリットが存在します。

以下でペルソナがもたらす3つのメリットについてご紹介します。

1. プロジェクト内で共通の認識が持てる

ペルソナを設定することで、メンバー間で共通の認識を持ちながらプロジェクトを 進めることができます。

各担当者がざっくりとした顧客像を持っていた場合、マーケティング戦略の方針や ワイヤーフレームの設計において認識のズレが発生し、気づいた時には大規模な修正が 必要になってリソースを浪費してしまうという事態にも陥ってしまいます。

しかし、ペルソナの情報をプロジェクト内で共有することで、各担当者が同じ顧客の イメージを持ちながら、担当の業務を進めることができるようになります。

そのため、リソースの最適化や生産性の向上、業務の効率化が実現できます。

2. ユーザーのニーズが明確になる

詳細な人物像を設定するペルソナを使うことで、実際にユーザーが自社製品や サービスに何を求めているのかがイメージしやすくなります。

具体的なイメージを中心に製品を開発・改善することで、よりユーザーの心に刺さる 製品の開発やマーケティング戦略を打ち出すことができることでしょう。

3. マーケティング戦略においての精度が高まる

ペルソナの情報を分析することで、どこで、どのようなマーケティング戦略を 展開すべきなのかが分かってきます。

もし、ペルソナがソーシャルメディアを使用している年齢層の場合、インフルエンサー とのコラボ企画を出すのか、イメージ広告を出すのか、それとも動画として商品を 出すのか、どの時間帯で配信すべきか、などのアイデアを出すことができます。

一方で、本や文房具などの実際に手に取って購入するような商品の場合は、 紙広告やチラシなどをマーケティング施策として考えることができます。

つまり、漠然としたアイデアでテストを繰り返し、リソースを消費していくのではなく、 精度の高いマーケティングでより成功の可能性のあるテストをペルソナを設定することに より運用することができます。

ペルソナの設定方法

実際にペルソナがどのようなフレームワークなのか理解した上で、異なるビジネス分野で どのようにペルソナが使用されるのか見ていきましょう。

ここでは「マーケティング」「UX・UI デザイン」「製品開発」の事例を使って、 ペルソナの設定方法をご紹介します。

マーケティングにおけるペルソナの設定方法

マーケティング活動において、ペルソナを明確に設定することで、効果的な コンテンツ制作やターゲティングが可能になります。

では、マーケティングの観点からペルソナを設定する方法を見てみましょう。

Step 1:市場調査

まず、ターゲットとなる市場や顧客の調査を行います。

アンケートやインタビューを通じて、顧客のニーズや課題を明らかにしましょう。

Step 2:デモグラフィックデータを収集

年齢、性別、職業、収入などの基本的な情報を元にペルソナの詳細を記載していきます。

Step 3:ライフスタイルや考え方を分析

趣味や興味、価値観、消費行動など、より詳細な心理的な情報を収集・分析し、 ペルソナの性格やライフスタイルを定義します。

Step 4:ペルソナのストーリーを作成

ペルソナが直面する具体的な課題やその解決方法、彼らの日常などをストーリーにまとめます。

これにより、ペルソナに深い理解を持つことができます。

また、ストーリーボードなどのフレームワークを使うことで、より構造的にユーザー ストーリーを整理することが可能です。

Step 5:ペルソナを定期的に見直す

市場環境や顧客のニーズは、常に変化します。

ペルソナを設定したらそれで終わりではなく、定期的な見直しを行い、最新のトレンドに 基づいて更新するようにしましょう。

ペルソナを設定することでマーケティングメッセージやコンテンツをユーザーに合わせて 最適化することができます。

よりリアリティのある人物を元にしたコミュニケーションは、共感を生み、 効果的なマーケティング活動を実現します。

UX・UI デザインにおけるペルソナの設定方法

UX(ユーザーエクスペリエンス)と UI(ユーザーインターフェース)デザインの 分野において、ペルソナは、重要な役割を果たします。

ペルソナというより具体的な人物像により、デザインの方向性や意思決定に情報を 活用することができます。

以下で、UX・UIデザインにおけるペルソナの設定方法について見ていきましょう。

Step1:ユーザーリサーチ

製品やサービスのターゲットユーザーを明確に理解することが重要です。

オンライン調査、アンケート、インタビューなどの方法で情報収集を行います。

Step 2:デモグラフィック情報の整理

収集したデータから年齢、性別、職業、収入などの基本的な情報を抽出し、 ペルソナの背景を構築します。

Step 3:ユーザーの行動とニーズを分析

ユーザーがウェブサイトやアプリを使用する際の行動、動機、課題を明らかにします。

これにより、ユーザーが求めるエクスペリエンスがイメージしやすくなります。

Step 5:ストーリーテリング

ペルソナの一日や特定のシチュエーションを通じて、行動や感情を具体的に描写します。

これにより、UX・UI デザイナーはペルソナの視点でデザインを計画することができます。

Step 6:ペルソナのビジュアル化

写真やイラストを用いてペルソナをビジュアル化し、チーム内で共有します。

これにより、ペルソナが抽象的な存在ではなく、具体的なキャラクターとして 感じられるようになります。

Step 7:ペルソナの検証

実際のユーザーテストを行い、ペルソナが実際のユーザーのニーズや行動を正確に 反映しているかを検証します。

Step 8:定期的な更新

ユーザーのニーズや嗜好は時間とともに変わります。

ペルソナもこれに応じて定期的に見直しと更新が必要です。

UX・UIデザインにおけるペルソナの設定は、ユーザー中心のデザインを実現するための 鍵となります。

ペルソナを用いることで、抽象的なユーザーニーズを具体的に捉え、効果的なデザインの 方向性を見つけ出すことができます。

製品開発におけるペルソナの設定方法

製品開発の初期段階でペルソナを設定することは、ユーザーのニーズや動機を理解し、 それに合わせて製品の特性や機能を開発することに役立ちます。

ペルソナは、ユーザーの代わりとして、開発プロセス全体をガイドする役割を果たします。

以下で製品開発におけるペルソナの設定方法についてのステップを見ていきましょう。

Step 1:市場調査

まず、市場のトレンド、競合製品、目的の顧客層の傾向などを調査します。

SWOT 分析なども使用して、自社製品やサービスがどのようなポジションにいるのかも 明確化しましょう。

Step 2:ターゲットユーザーの特定

誰を対象として製品を開発するのかを明確にします。

これにより、特定のユーザーグループに焦点を絞ることができます。

Step 3:デモグラフィック情報の収集

年齢や性別、職業、ライフスタイルなど、ペルソナがイメージしやすくなる情報を 収集します。

Step 4:行動やニーズの分析

ユーザーが日常で直面する課題や製品に求める機能、使用するシチュエーションなどを 明確にするために、行動やニーズを分析します。

Step 5:ペルソナの作成

収集した情報をもとに1〜3名のペルソナを設定します。

名前や年齢、趣味、家族構成、好きなこと、苦手なことなど、実在の人物のように プロファイルを作成していきましょう。

Step 6:ストーリーボードの作成

ペルソナが製品をどのような状況でどのように使用するのか、シナリオやストーリー ボードを用いて描写します。

Step 7:製品開発

ペルソナの情報をもとに製品の特性や機能、デザインを検討し、開発のガイドライン として使用します。

Step 8:ペルソナの更新

市場トレンドやユーザーのニーズは常に変化するものです。定期的にペルソナを見直し、 必要に応じて更新していきましょう。

製品開発におけるペルソナの設定は、製品が実際のユーザーのニーズや動機に 適応しているかを確認し、製品の品質や競争力を高める上で非常に重要です。

ペルソナを活用することで、開発者はユーザー視点での製品開発を実現することが 可能となります。

ペルソナ設定で知っておきたいコツ

ペルソナの設定に役立つコツを知ることで、その効果を何倍も引き出すことができます。

以下でそのコツをご紹介します。

客観的な視点で設定する

ペルソナに追加する情報は、自分が想像する顧客像ではなく、実際の顧客調査や フィードバックから得たデータやインサイトをもとに記載しましょう。

最大で3人まで

顧客層に多様性を持たせることは大切なことですが、ペルソナを作り過ぎた場合には、 情報の精度が落ちてしまいます。

設定するペルソナは、あくまで3人までに限定しておきましょう。

詳細は具体的に

ペルソナに記入する情報は、具体的かつよりリアリティのあるものにしましょう。

デモグラフィックにこだわり過ぎない

年齢や性別、職業などのデモグラフィックは、ペルソナのデータ収集において 一番簡単に入手できるデータですが、デモグラフィックの収集にこだわり過ぎて、 ユーザーの本質をペルソナに反映し忘れたという事態に落ちないようにしましょう。

ペルソナは、ユーザーが考えることを深く分析するためのツールです。

認識共有やコミュニケーションに積極的に使う

メリットのセクションでも説明した通り、ペルソナは、認識共有やコミュニケーション ツールとしても役立ちます。

ペルソナを目的通りに使っていきましょう。

ペルソナの更新を忘れないこと

時代の変化やマクロ環境、マイクロ環境によって顧客や市場は常に変化します。

そしてペルソナも、このようなトレンドに合わせて更新していく必要があります。

最新のデータを常にペルソナに追加することで、ペルソナの情報精度を常に高いものに 維持することができます。

プロジェクト全体を通してペルソナを参照する

ペルソナを単なる文書や単一のプロセスとして扱わないようにしましょう。

全てのプロセスやイニシアチブでペルソナ中心の意思決定を行うことで、 より効果の高いキャンペーンや戦略を実施することができます。

まとめ

ペルソナは、自社の製品やサービスを利用する架空のユーザー像に名前や年齢、 趣味、ライフスタイル、価値観などの詳細を入れたものです。

ビジネスではマーケティングや製品開発、UX・UI デザインの分野で広く使用されている デザイン思考フレームワークです。

この記事でも各分野でのペルソナの設定方法をご紹介しました。

ペルソナは、認識共有ツールや戦略に対してのロードマップとして活躍し、 ユーザーの分析だけでなく、プロジェクトの生産性やリソースの最適化にも役立ちます。

ペルソナを使ってユーザーに刺さるマーケティング戦略やサービスの開発をしましょう。

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以下のリンクから製品ページをご確認ください。

Miro のペルソナ設定シートMiro のペルソナテンプレートMiro の顧客ペルソナテンプレート

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