UX 向上に役立つ カスタマージャーニーマップとは?作り方と事例について徹底解説
解説するトピック
解説するトピック
カスタマージャーニーマップは顧客の製品体験やタッチポイントを見える化することに 役立つマッピングフレームワークです。
タッチポイントを見える化することにより顧客がどのように製品やブランドを 体験しているかを段階的に分析することができるようになります。
Miro ではカスタマージャーニーマップ作成ツールを使用して顧客のニーズを より深く理解し、顧客視点での戦略を策定するためのカスタマージャーニーマップを 簡単に作成することができます。
カスタマージャーニマップとは?
カスタマージャーニーマップは顧客が自社の製品やブランドを体験する際のプロセスを 視覚的に表現したものです。
この図は顧客が製品と出会い購入するまでの正確なプロセスを明確することに役立つ図です。
また、この図は顧客ペルソナがどのようなタッチポイントを経て自社のビジネスや 製品と関わっていくかを視覚的にストーリー化したものでもあります。
ソーシャルメディア上でのブランドの認知から店舗での製品購入まで、カスタマー ジャーニーはその全ストーリーを表現することができます。
カスタマージャーニーマップはターゲットとしているペルソナの経験を図にする場合に 特に有効です。
中小企業の経営者やシングルマザーなど、特定の顧客ペルソナを1人ずつ取り上げる ことで、より具体的な情報をジャーニーマップに追加することができ、どのようにして そのペルソナに製品やブランドをアピールしていくべきなのかというインサイトを この図を使って発見することができます。
しかし、1つの図に複数のペルソナを記入した場合、あまり効果的なインサイトが 得られないことがあるので気をつけましょう。
そのため、ターゲットセグメント内の多くの各ペルソナの特徴を正確に理解するために、 複数のカスタマージャーニーマップが必要になる場合があります。
その場合、最初の段階で各ペルソナを明確に定義するようにしましょう。
Miro ではターゲットセグメントを分析し、ニーズを理解するために役立つユーザーペルソナ テンプレートを使用していただくことができます。
なぜカスタマージャーニーマップが重要なのか?
顧客が自社の製品を購入する際の動機を知ることは非常に重要です。
そこで顧客の動機を理解するためにカスタマージャーニーマップが活躍します。
ここでは、規模の大小にかかわらず、すべてのビジネスにおいてカスタマージャーニーを マッピングすることが重要である理由を説明したいと思います。
複雑なカスタマージャーニーが簡単に理解できる
他の図形やコンセプトマップと同様にカスタマージャーニーのような複雑なプロセスを 視覚的に表現することで、情報の明確化や理解を実現することができます。
カスタマージャーニーを言葉だけで説明しようとするのではなく、この図によって チーム全員が顧客体験全体を視覚的に把握することができます。
ほとんどのカスタマージャーニーのタッチポイントはタイムラインに沿ってマッピングされ、 プロセスの各段階における顧客のニーズ時系列で理解できるようになります。
企業内の各部署の特色によって異なるカスタマージャーニーが存在するため、 プロジェクトに関わるメンバーすべてがカスタマージャーニーを理解するためのフレーム ワークを準備することは非常に重要です。
例えば、理想的なユーザー体験を実現するためには、マーケティング、セールス、 カスタマーサービス、テクニカルサポートなど、すべての部門が関与する必要が ある場合があります。
各部門の担当者はジャーニーがどのように機能し、どこでハンドオフが行われ、どのように すればユーザー体験を向上できるかを明確にする必要があるのです。
1つの図を使用して部署同士が情報を共有することにより、より効果的な意思決定が できるようになります。
顧客視点でプランを設計できる
カスタマージャーニーマップは顧客の行動だけでなく、顧客が製品とどのように 関わっているかを知るために有効なツールです。
また、顧客を感情レベルで理解し、何が不満や喜び、感動を与えているかを認識することが できます。
顧客の視点で自社の製品やブランドを理解することで現状のマーケティングや ブランディングキャンペーンの効果を分析することができます。
これにより、顧客が持つ課題や自社製品を選択した理由など、より深いインサイトを 得ることができます。
このような分析をもとに新しいマーケンティング戦略やセールス戦略を立てることで、 ペルソナをもとにターゲットにした顧客層の購買意欲を高めるキャンペーンを実施する ことが可能になります。
顧客が自社製品やブランドに望むものを明確に理解できる
カスタマージャーニーマップは顧客が自社製品やブランドに望むものや特定のペルソナの 購買意欲を理解するための戦略的アプローチの1つです。
時間をかけてカスタマージャーニーを深く理解することで、顧客が自社の製品やビジネスに 何を望んでいるかが明確になります。
長期的な顧客維持に効果的である
顧客のニーズを理解し、カスタマージャーニーをたどることで、顧客の製品や ブランド体験の改善を図ることができます。
顧客の製品やブランド体験の向上は顧客のブランドロイヤリティの向上にもつながります。
結果として、顧客のブランドロイヤリティが高まり、顧客維持率や購入頻度が向上し、 長期的に自社ビジネスに大きな利益をもたらします。
カスタマージャーニーの5つのステージ
カスタマージャーニーマップは、このカスタマージャーニーマップテンプレートパックに 見られるように、5つの重要なステージに分けることができます。
これらのステージはマーケティング用語で「態度変容プロセス」と呼ばれています。
顧客はこれらのプロセスを経て自社の製品を体験、購入、共有します。
1. 認知
「認知」とは顧客が最初に自社企業や製品、ブランドを認識するステージの ことを指します。
認知はソーシャルメディアや他の顧客からの口コミなど、さまざまな媒体を 通して発生します。
ブランドはマーケティング戦略とブランド広告によって認知度を高めることにより、 より多くの顧客を惹きつけることができます。
ターゲットセグメントがどのようにブランドに対する認知度を高めていくかに 注目することで、マーケティング戦略や予算、チャネルの優先順位付けを 最適化することができます。
2. 情報収集
顧客がブランドを認知した後は「情報収集」をはじめます。
これは、あなたのビジネスが提供する製品やサービスが自分に合ったものかどうかを 考えるためのステージであり、他社製品と比較することもあります。
このステージでは、ブランドや製品の認知度をより向上するための戦略が必要となります。
このマーケティング戦略を成功させることにより、顧客が自社製品を選択する確率を 上げることができます。
3. 体験・購入
顧客がすべての選択肢から製品を検討した後、どの製品やサービスを購入するか、 あるいは購入しないかを決定します。
もしこの段階で顧客が自社製品を購入しないと決定した際、カスタマージャーニーは そこで終わります。
その場合は、カスタマーサービスを充実させたり、新しい広告やパーソナライズされた プロモーションを試したりして、認知や検討の段階を改善することに重点を 置く必要があります。
4. 維持
カスタマージャーニーは顧客が購入したステージで終了するものではありません。
どんなビジネスでも繰り返し製品を購入してくれる顧客ベースを構築する必要があります。
そのため顧客を「維持」するための戦略が必要となります。
ブランドロイヤリティの向上は、収益を向上させるための1つの方法です。
デジタルマーケティングを通した動機づけや、カスタマーサポートの充実、 新製品の告知などをすることで、常に顧客の興味を維持することができます。
5. 共有・拡散
カスタマージャーニーマップの最後のステージに「共有・拡散」があります。
つまり、自社ブランドが提供する製品についてより多くの顧客に知ってもらう ということです。
カスタマージャーニーの各ステージを通じて顧客満足度を向上すれば、顧客は自社の製品や ブランドに対して共有または拡散行動をとる可能性が高くなります。
カスタマータッチポイントとは?
カスタマージャーニーにはさまざまなタッチポイントが存在し、顧客は各タッチ ポイントを通して自社製品やブランドを体験します。
ここでは、3種類のタッチポイントについて詳しく見ていきましょう。
1. 購買前タッチポイント
「購買前タッチポイント」とは顧客が自社製品を購入する前に自社製品やブランドを 体験するタッチポイントのことを指します。
購買前タッチポイントは、認知や検討の段階で発生することがあります。
また、製品をすでに購入した顧客が情報を拡散または共有した場合にもこの購買前 タッチポイントが発生します。
購買前タッチポイントはウェブサイトを訪れたり、ソーシャルメディア上の 投稿を見たり、友人からの口コミを通して顧客が体験するタッチポイントです。
このカスタマージャーニーでは情報の透明性が重要であり、これらの情報を通して 顧客の購買意欲を向上することが意思決定の上での鍵となります。
2. 購買時タッチポイント
「購入時タッチポイント」はカスタマージャーニーの「体験・購入」のプロセスで オンラインまたはオフラインに関係なく発生します。
このタッチポイントを改善することで、顧客が競争他社の製品と自社製品を再度比較する ことを防ぐことができます。
例えば、モバイル用に最適化されていなく、画面が表示されるまでのスピードが 遅いウェブページや顧客の意思に反した営業活動を誘発するような行動は購入プロセスに 悪影響を及ぼします。
このタッチポイントを強化することは、顧客の購買意欲を向上させるために不可欠です。
迅速かつシンプルな購入プロセスは、顧客に再度自社製品を購入したいと思わせる 非常に重要な要素です。
3. 購買後タッチポイント
「購入後タッチポイント」はカスタマージャーニーの「維持」と「共有・拡散」の プロセスで発生します。
これらのタッチポイントにおいての成功は以前のステージの効果によって左右されます。
購入後タッチポイントまでの顧客体験がより洗練されたものであったなら、顧客が 自社製品やサービスを友人や家族にすすめる可能性が高くなります。
このステージではカスタマーサポートやメンテナンスなどの購入後の顧客ケアを 実施することで、継続してリピーターを獲得するできます。
カスタマージャーニーマップの作り方
顧客ペルソナの心理や行動を分析し、ペルソナのニーズの明確化だけではなく、 ペルソナに対する効果的なタッチポイントを設計しなければならないため、 カスタマージャーニーマップの作成は非常に複雑な作業であると言えるでしょう。
そんな時に Miro のカスタマージャーニマップ作成ツールが役立ち、ペルソナのニーズに 合わせて効率的にマップを作成することができます。
また、カスタマージャーニーマップテンプレートを活用することですぐにカスタマー ジャーニーマップに情報を記入し始めることができます。
以下では Miro でカスタマージャーニーマップを作成する方法を見ていきましょう。
1. マップを作成する明確な目的を設定する
カスタマージャーニーマップの作成に取りかかる前に、その目的や目標について 考えましょう。
タッチポイントの改善、顧客維持率の向上、マーケティング戦略の改善など、 目的や目標を明確化することでより効果的なマップを作成することができます。
2. プロファイル&ペルソナの分析
上記でもお話ししたように、カスタマージャーニーを作成する際には、特定のペルソナに 焦点を当てる必要があります。
カスタマージャーニーマップでは、一度に1人までペルソナを設定するべきであることを忘れないようにしましょう。
そうすることで、ターゲットとなる顧客層が誰なのかを正確に把握し、自社が満たそうと している購買者のニーズについて深く理解することができます。
3. カスタマータッチポイントを記入
次に、各カスタマータッチポイントで顧客が自社製品やブランドをどのように体験するのか 分析する必要があります。
カスタマータッチポイントをペルソナのニーズに合わせて適切に設定することで、 顧客体験を向上することができます。
4. 顧客の立場からカスタマージャーニーを分析
より精度の高いカスタマージャーニーマップを作成するためには、顧客の視点に立って 情報を分析することが必要です。
これにより、カスタマージャーニーマップが正確かどうかを確認し、改善点を特定する ことができるようになります。
カスタマージャーニーマップの例
ここでは、カスタマージャーニーマップの例をご紹介します。
Alex Gilev の実践的カスタマージャーニーマップ(Practical Customer Journey Map)
Alex Gilev 氏は、ユーザーフレンドリーかつシンプルな使用が楽しめる革新的な アプリの作成で知られるUXエキスパートであり製品ディレクターです。
彼がMiroで作成した実践的なカスタマージャーニーマップ( Practical Customer Journey Map )の例は「顧客にとってかけがえのない製品を作りたい」という 信念に基づいています。
このカスタマージャーニーマップは、発見( Discovery )、オンボーディング ( Onboarding )、基礎( Scaffolding ) 、そしてエンドゲーム( End Game ) 4つのフェーズから構築されています。
このカスタマージャーニーマップは競合他社に対する競争力を高めるための戦略を 発見することに役立ちます。
特定のペルソナのニーズに合った製品を開発するための基準を設定し、顧客維持率 (リテンションレート)の高い製品の開発やマーケティング戦略にこのカスタマー ジャーニーマップを活用しましょう。
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