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PI 計画とは?やり方や 成功させるためのルールをご紹介!

PI 計画についての画像

PI 計画とは?

PI(Program Increment)計画は、Scaled Agile Framework(SAFe)内の主要な プロセスの一つです。

通常、8〜12週間のタイムフレームで設定されるPIは、複数のアジャイルチームが 共同で取り組む期間を意味します。

この計画プロセスでは、各分野を担当する全チームが集まり、次のPI期間での目標や 成果物を定義し、議論、合意します。

このPI計画は、大規模アジャイルプラクティスにおいて、異なるチーム間での調整や合意を 促進するための中心的な役割を果たします。

これにより、組織全体の戦略的な方向性とチームごとの業務を連携することができ、 組織を通して一貫性のある目標を設定することができます。

SAFe (Scaled Agile Framework)とは?

SAFeは、大規模な組織やプロジェクトにアジャイル手法を適用するための フレームワークです。

アジャイルの基本原則をベースに、大規模な組織構造に特有の課題に対応するための 方法論やプラクティスを提供してくれます。

SAFeは、組織の異なるレベルでの作業を調整・整合させることを目的とし、 ポートフォリオ、プログラム、チーム、そして大企業のレベルでの実践ガイド として機能します。

これにより、アジャイルの価値と原則を大規模な環境で効果的に活用することが できます。

PI 計画の目的・目標

PI計画の主要な目的は、すべての関連チームが一堂に会し、共有のビジョンと目標の下、 次のPIの成果物や目標を設定することです。

これは、組織全体のアラインメントを維持し、各チームの成果を整合させるための 中核的な活動となります。

また、PI計画は、新しい機能やプロダクトのリリース、技術的な負担の削減、品質の 向上など、特定の成果を達成するためのロードマップを明確することにも役立ちます。

これにより、組織全体が一貫した目的に向かって進むことが可能となります。

PI 計画に関与するメンバー・役職

PI計画には、以下のメンバーや役職が関与します:

アジャイルチーム

開発者、テスター、スクラムマスターなどメンバー。具体的なタスクやユーザー ストーリーを定義し、PI期間中の作業内容を明確にします。

プロダクトオーナー

チームのバックログを所有し、優先順位をつけ、チームとステークホルダー間の コミュニケーションの橋渡し役として機能します。

リリーストレインエンジニア (RTE)

PI計画の主要なファシリテーターであり、プログラムレベルのSスクラムマスターの 役割も果たします。

システムアーキテクト

PI計画において、システムアーキテクトには、技術的なビジョンやガイダンスを提供する 責任があります。

ビジネスオーナー

事業価値を最適化するための意思決定をサポートし、PIの目的を定義する役割があります。

ステークホルダー

プロジェクトに関わる他の全ての人員のことを指します。計画に対してフィードバックを 共有したり、説明などの必要に応じて計画プロセスに参加します。

ビッグルームプランニング vs PI 計画(プランニング)

ビッグルームプランニングとPI計画は、しばしば同義語として使用されますが、 実際のニュアンスには違いが存在します。

ビッグルームプランニングが、リリースのための計画を作成するイベントを指す一方で、 PI計画はSAFe 手法にそったアジャイル計画プロセスのことを指します。

したがって、PI計画はビッグルームプランニングの一部と考えることができますが、 その逆は必ずしも真ではありません。

PI計画では、具体的には次のPIの目標や成果を定義することに重点を置きます。

PI 計画プロセスを構成する要素

PI計画は以下の構成要素を中心に進められます。

  • ビジョン:期間中に達成するべき高水準の目標や方向性。

  • アーキテクチャガイダンス:技術的な制約や推奨事項。

  • チーム間の依存関係:他のチームとの連携や調整が必要なタスクや機能。

  • リスク:期間中に発生する可能性のある課題や障害。

  • 成果:期間の終わりに達成すべき具体的な成果物や機能。

PI 計画のやり方・ステップ

  1. 事前準備:ビジョン、アーキテクチャのガイダンス、必要な成果物や要求事項を整理。

  2. 計画ミーティング:すべての関連者が参加し、次のPIの目的やタスクについて議論。

  3. 計画のレビュー:ステークホルダーやマネジメントからのフィードバック収集。

  4. 計画の調整:フィードバックを基に計画の最終確認。

PI 計画を成功させるコツ

意味のあるPI計画を実現するためには押さえておきたいいくつかの注意点・コツがあります。

以下でその注意点・コツをいくつかご紹介したいと思います。

明確なビジョンを伝える

参加者全員が同じビジョンを共有することで、一貫性のある目標設定や計画をすることが でき、組織全体が同じ目標(ゴール)を持って業務に取り組むことができるようになります。

十分な事前準備

必要な資料やリソース、データをすべて収集して、必要な時に参照できるようにしましょう。

オープンなコミュニケーション

チーム間のコミュニケーションを奨励し、誰でもオープンに意見を出せるコミュニ ケーションを促進することで、よりイノベーションが生まれやすい環境を作ることが できます。

また、コミュニケーションを強化することで不足の事態が発生した際にも、チーム間の 連携を維持することが可能です。

リスクの共有

計画段階で潜在的なリスクに対しての共有を行うことで、事前に対応策の議論を 行うことができます。

PI 計画に役立つビジネスフレームワーク

PI(Program Increment)計画は、Scaled Agile Framework(SAFe)の中心的な プロセスの一つです。

PI計画を成功させるためには、いくつかのビジネスフレームワークが役立ちます。

これらのフレームワークは、計画の品質、アライメント、および実行を強化するのに 役立つツールや手法を提供してくれます。

以下で PI 計画におすすめの6つのビジネスフレームワークを見ていきましょう。

SWOT分析

「SWOT 分析」は、企業の強み、弱み、機会、脅威を評価するためのビジネス フレームワークです。

この分析手法を使用して、PI計画中に取り組むべき重要な機会や脅威を特定できます。

SMART目標設定

特定の、測定可能な、達成可能な、関連性のある、時間制限のある目標を設定するための フレームワークが「SMART目標設定」です。

PI計画の目標が明確で実行可能であることを確認するために役立ちます。

RACIマトリックス

誰が責任を持つのか、誰に説明責任があるのか、誰にコンタクトするのか、誰が どのような情報を必要とするのかを明確にするためのツールが「RACIマトリックス」です。

RACIマトリックスは、PI計画中のタスクや役割の割り当てとコミュニケーションを 明確にすることに役立つフレームワークです。

カンバンボード

ワークフローと進行中の作業を視覚的にトラッキングに「カンバンボード」が役立ちます。

PI計画中のタスクの進捗状況を監視し、ボトルネックや遅延を特定することに、 カンバンボードを使用することができます。

リーンキャンバス

リーンキャンバス」は、スタートアップや新しいプロジェクトのビジネスモデルを 高速で作成・検証するためのビジネスフレームワークです。

PI計画で取り組む新しいイニシアティブや機能のビジネス価値を迅速に評価するのに 役立ちます。

記入しやすいや、更新しやすいといったメリットがリーンキャンバスにはあります。

ポーターの5フォース分析

経営学者のマイケル・E・ポーター氏が1979年に発表した「5フォース分析」は、 業界の競争状況を分析するためのフレームワークです。

5フォース分析を使うことで、外部環境の変化や業界の動向を分析しながら、 PI計画を調整することができます。

これらのフレームワークを適切に活用することで、PI計画をより戦略的、合理的、 および実行可能なプロセスへと強化することができます。

まとめ

PI(Program Increment)計画は、SAFe(Scaled Agile Framework)の 中核的要素であり、チームやプログラムの計画とアライメントを8〜12週間の タイムフレームで行います。

この期間内では、一連のスプリントまたはイテレーションを通じて製品やサービスの価値を 積極的に分析・議論されます。

PI計画会議は、ステークホルダー、製品マネージャー、アーキテクト、そして開発チーム などのメンバーが集まり、共有のビジョンと目的を持つ機能の優先順位を設定します。

これにより、異なるチーム間の調整やコミュニケーションが強化され、迅速な フィードバックループを確立することができます。

このプロセスの成功の鍵は、明確な目標、相互依存関係の理解、そして変更に対する 柔軟性です。

PI計画は、企業が市場の変動や顧客の要求に迅速に対応しながら、持続可能なペースで 高品質の成果物を提供する能力を高めることに役立つ重要なアジャイルツールとして 活躍します。

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オンラインのアジャイルツールである Miro では、専用のツールやテンプレートを 使用して、いつでもPI計画を実行することができます。

また、Miro ボード上では多数のメンバーがリアルタイムで作業をすることができるので、 PI計画用のミーティングなどに Miro が活躍します。

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