ロードマップとは? 知っておくべき情報や 作り方を徹底解説
解説するトピック
解説するトピック
ロードマップは、チームでの認識共有や生産性の向上に役立つツールです。特に複数の部門やチームが関わるプロジェクトにおいて、目標の共有やその目標を達成するためのタスクなどをロードマップを通して伝えることができます。
ロードマップは製品開発からマーケティング戦略の立案まで幅広い分野で重要になるツールです。この記事ではロードマップについてや作り方、種類など、ロードマップを作成する際に必要な情報すべてをご紹介します。
ロードマップとは?
ロードマップとは、目標達成までの戦略を視覚的に表現するためのツールです。ロードマップを使用することにより戦略をより具体的に説明することができ、プロジェクトチーム内の情報共有などにおいて力を発揮してくれます。
計画内容やコンセプト、アイデアが抽象的すぎる場合、戦略をを実行に移すのが難しくなります。ロードマップは計画を実行する際のステップを可視化し、どのような結果がその戦略によって得られるのか深く理解することに役立ちます。つまりロードマップは、計画した戦略をより効果的に実行するための地図であると言えます。
また、ロードマップはチーム間でのプロジェクト管理ツールとしても非常に便利です。ロードマップ内には各チームメンバーが担当するタスクやプロジェクト内でのメンバーの役割などが図を通して説明されており、チームやプロジェクトメンバー全員が計画内容を一目で把握できるようになります。
ロードマップを作成するメリット
ここでは、さまざまなプロジェクトにおいてロードマップを作成するメリットをご紹介します。
全体像が把握しやすくなる
プロジェクトの詳細を最初から理解することは、困難なことです。多くのプロセスは文章内で抽象的に説明されており、何らかのコミュニケーションツールなしにすべての詳細を説明するのは難しいでしょう。ロードマップは、プロジェクトに必要なすべてのプロセスを1つのマップにまとめるためのツールとして機能します。
問題を事前に察知できる
プロジェク内のすべてのプロセスが順調に進むとは限らなく、予期せぬ問題が起こることがあります。ロードマップは戦略を実行する前に、このような問題を事前に察知することに役立ちます。これにより、問題を迅速かつ効率的に解消することができ、プロジェクトの遅延や予算編成においての齟齬を未然に防ぐことができます。
効果的なリソース管理ができる
ロードマップを通して各プロセスにおいてどれだけの時間と人員が必要かを把握することができるため、リソースの最適化を達成することができます。それによりリソース管理においての無駄を解消することができます。
部門間での依存関係を可視化
あるプロジェクトでは、同じプロセスに複数のチームが従事することがあります。例えば、ソフトウェアエンジニアチームは、アカウントマネージャーがクライアントの製品に関しての確認を取ってから開発を開始することができます。
このように、チーム間の依存関係を可視化することで、プロセスをスムーズに進行することができるようになります。
責任の明確化とプロセスの追跡
ロードマップは、プロジェクトにおける各メンバーの役割を視覚的に表現するためのコミュニケーションツールとして役立ちます。これにより、すべてのプロジェクト関係者が自身の責任やタスク内容に関して認知することができます。
またロードマップを確認することで、あるプロセスがどこで行き詰まっているのか、そのプロセスは誰が担当しているのかを特定することができます。担当者が見えることで、プロセスの軌道修正や問題点についてその担当者とすぐに相談することが可能になります。
時間管理にも有効
一定のタイムラインを設定したロードマップは、プロジェクト内においての期日管理にも役立ちます。プロジェクトのタイムスケジュールを設定して開始日から記録しておくことで、すべての関係者がいつまでにタスクが完了されなければならないのか知ることができます。
ロードマップの種類
戦略の目標によって作成するロードマップの種類が異なります。以下では、一般的に使用されるいくつかのロードマップの種類について説明したいと思います。
プロダクトロードマップ
プロダクトロードマップは自社製品の方向性、開発においての優先順位、進捗状況、長期的なビジョンを可視化することに役立つロードマップの1つです。製品開発に重要となる目標の達成や行動計画、どのようなビジネス付加価値がもたらされるのか説明する時に役に立ちます。
各製品ごとにロードマップを作成することで、製品ごとに対する優先順位をつけることができます。それにより、どの製品が最も大きな利益を生み出すかを開発前に可視化することができ、時間とリソースを正しく配分することができるようになります。
プロダクトロードマップを使用することにより、プロジェクトに関わるすべてのメンバーやチームがタスクを確認することができるようになります。
また、作成時に、絵文字や異なる色を使うことで、より見やすいロードマップを作成することが可能です。
技術ロードマップ
技術ロードマップは、企業内における技術導入計画の概要を示す視覚的な文書として役立ちます。会計ソフトから、マニュアル型の機械の代わりとなる新しい製造技術に至るまで、あらゆるものが対象となります。
技術ロードマップは、管理職の方にとって便利なツールとなります。技術革新に伴い、企業がどのように発展していくかを戦略的に考える時に役立つツールです。また、このロードマップは、リソース管理や長期計画にも役立ちます。
マーケティングロードマップ
このタイプのロードマップは、マーケティング戦略においての詳細や計画の長期目標を示す時によく使用されます。マーケティングロードマップを使用することでマーケティング戦略に必要なリソースを適切に割り当てることができます。
また、マーケティングキャンペーンにおいての目標達成において、どのような戦略が有効であるのという判断材料としても役立ちます。
ビジネスロードマップ
ビジネスロードマップは企業が持つビジョンを説明するための文書として使用されます。ビジネスロードマップを使用することにより、各部門が全体的なビジネスにおいてどのように貢献しているのかを理解することに役立ちます。
通常、ビジネスロードマップは長期的な戦略目標に基づいて作成されます。この先見性のあるアプローチは、経営陣や管理ポジションの立場にある人が潜在的なリスクや障害物を特定するのに役立ちます。
また、このロードマップは、明確なミッションと企業理念を定義することにも役立つため、新規事業やスタートアップ事業に最適なロードマップだと言えるでしょう。
アジャイルロードマップ
アジャイルロードマップはどんな種類のプロジェクトにも有効ですが、一般的には製品開発に使われることが多いようです。これは、アジャイルロードマップが柔軟なフレームワークとして活躍するためであり、製品のビジョンとビジネスニーズに従っていつでも変更を追加することができます。
このタイプのロードマップは、アジャイルなチームが目標を「エピック」と呼ばれるテーマに分解し、目標設定とバックログの優先順位付けに役立ちます。
Miro にはさまざまなシチュエーションに対応するロードマップテンプレートが揃っています。テンプレートを使用することで、ロードマップを簡単に作成することができます。ご興味があれば一度ご覧ください。
ロードマップを上手に作るコツ
このセクションではどのようにしてロードマップ作成において覚えておくべきルールについて説明したいと思います。
理由の明確化
ロードマップ作成においての目的の1つとして、全体的なビジョンを把握し、文書化することが挙げられます。これは、新規事業において方向性を設定する時に特に有効な手段です。
戦略の目標を理解することはそれを実行に移すことと同じくらい重要なことであり、プロジェクト参加者はなぜその戦略が必要なのかなどの理由を知ることができます。
ロードマップは、各メンバーが自分の行動が会社全体のビジョンにどのように貢献するのか教えてくれます。
できるだけシンプルに
複雑で理解しにくくなる恐れがあるため、ロードマップに情報を詰め込むことはしないようにしましょう。ロードマップは、あなたの戦略をハイレベルに表現するためのものでなければなりません。ロードマップが文字だらけにならないように、言葉の代わりにビジュアルや色を使ってアイデアを伝えるようにしましょう。
関係各所と共有
ロードマップは、プロジェクトのビジョンと進捗状況を表現するときに有効なツールですが、関係者全員がそのドキュメントにアクセスできる場合に限ります。
ロードマップを共有する際には、チームにコメントや質問をするよう呼びかけます。そうすることで、さまざまな意見やアイデアを交換することができ、ロードマップをより効果的なものへと改善することができます。
常に更新する
戦略やビジョンが変化するのは当然ですが、その変化をロードマップに反映させることが重要です。戦略の変更には、日程の変更、成果物の延期、タスクの再配分などが考えられます。ロードマップの情報が古いままだと、プロジェクトの計画にズレが生じてくるので、変更があるごとに柔軟に更新していくようにしましょう。
過剰な数字を設定しない
ロードマップを作成する際に、非常に高い目標を設定する人がいます。しかし、ロードマップを有効に活用するためには、現実的な目標を設定する必要があります。
現実的なタイムスケジュールとマイルストーンを設定し、より達成可能なロードマップを作成するように心がけましょう。
ロードマップの作り方
以下のステップに従って見やすいロードマップを作成しましょう。
1. 必要なロードマップを選択する
まずは説明したい戦略やプロセスを特定しましょう。特定した後は、ロードマップ作成ツールやロードマップテンプレートを使用して作成を開始しましょう。
2. 戦略を定義する
ロードマップを通して表現したい戦略について考えてみましょう。ここでは、戦略を定義する際に役立つ質問をリストアップしています。
このプロセスの最終的な目標は何か?
それぞれの役割は?
ビジネスが直面している課題は何か?
ターゲットセグメントは誰か?
会社は何を目指しているのか?
組織をどのように成長させたい?
製品をどのようにして改善できるのか?
3. 優先度の高いプロセスを洗い出す
プロセスや戦略をさまざまな成果や取り組みに分解し、戦略目標を達成するためにどれが最も重要かを決めるために優先順位をつけましょう。
ここではフィボナッチスケールがロードマップ作成前のプロセスの優先度を決定することに役立ちます。フィボナッチスケールは、各タスクに要する労力とリスクの見積によく使用されるツールです。
4. マイルストーンと期日を設定する
ロードマップの中で、ある一定の成果やマイルストーンを設定するようにしましょう。タイムスケジュールに沿ってマイルストーンを設定することで、戦略を達成可能なゴールと具体的なアクションに細分化することができます。
また、マイルストーンはチームが進捗を測定し、プロジェクトが計画通りに実行されているかを確認することにも役立ちます。
5. チームとステークホルダーの明確化
プロジェクトに関わるすべてのステークホルダーを洗い出しましょう。このようなシチュエーションでは Miro タグ付けツールなどのツールが役に立ちます。メンバー間で自身の担当や依存関係を確認するためにコミュニケーションツールを活用しましょう。
6. タイムラインを決定する
プロジェクトには終わりがあります。そのため、ロードマップに終了日やタイムラインを記載しましょう。タイムフレームを設定することで、各自が期限内にタスクを完了し、スムーズにプロジェクトを進行させることができます。ここでは現実的なタイムラインを設定するようにしましょう。
7. ロードマップを共有する
プロジェクトに関わるすべての人がロードマップにアクセスできるようにし、認識のズレをなくしましょう。これにより、プロジェクトにおいての情報の透明性を向上することができ、戦略目標に対する共通の理解を築くことができます。
また、プロジェクトメンバーからフィードバックやアイデアを集めることで、ロードマップを改善することが可能です。
8. ロードマップを見やすくデザインする
他の人が見やすいようにロードマップをデザインするようにしましょう。色を使ったり、チームメンバーにタグを付けたり、ロードマップに価値をもたらす新しいマイルストーンを追加したりしましょう。
まとめ
ロードマップはプロジェクトの目標とマイルストーンごとに達成すべき目標を関係者に共有することに役立つツールです。ロードマップを通してプロセスや依存関係、担当タスクなどを見える化することで、関係者間で共通認識を持つことができ、プロジェクトをスムーズに進行することができるようになります。
ロードマップを作成して効率的に目標を達成しましょう。
ロードマップの作成には Miro のロードマップ作成ツールやロードマップテンプレートを使用することもおすすめです。
ちなみに上記のイメージはすべて Miro のツールで作成したロードマップのイメージです。ぜひ自身で Miro を使ってみてその機能をご体験ください!
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