Miro の使い方:UML 図で新機能をすばやく実装する方法

製品開発において、多くの関係者とのやり取りをともなう冗長な新機能の実装プロセスは、長々と手間がかかりがちです。Miro のソフトウェアエンジニアはダイアグラム作成ツールを使って、この面倒な開発プロセスの加速化に成功しています。 

Miro のソフトウェアエンジニアが提案する新機能実装に向けたダイアグラムの活用方法

ついこの間、Miro のシニア ソフトウェア エンジニアであるルネーとエンジニアチームは、ユーザーがログイン無しでモバイルアプリから Miro 公開ボードにアクセスできる新機能を実装しました。Miro の使い方シリーズでは、ルネーがこのプロセスでどのように Miro のダイアグラム作成ツールを活用したのか、その詳細をご紹介しています。

ビジュアル ワークスペースの作成

ルネーのチームが新機能の実装に取り組むときには、まず始めに Miro で共有ボードを作成します。このボードは、作業やアイデアを整理するためのビジュアル スペースとして使用します。初期段階ではまず、プロジェクトのすべての要件をリストアップし、チームが達成すべき項目を明確化します。

スコープクリープを未然に防ぐため、チーム内で MVP(実用最小限の製品)の開発にフォーカスします。このアプローチにより、想定外のタスクの増大を防ぎつつ、プロジェクトをしっかりと管理することができます。さらに Miro では、内部ドキュメントと Figma デザインをボード上で簡単にリンクさせることができます。ドキュメントからデザインまで、すべてを同一のキャンバス上にまとめることで、コラボレーションが容易になります。

タスクのプランニングと進捗管理

毎週チームミーティングを開き、各人にタスクを振り分け次のステップを確認します。このミーティングの内容は、Miro のフレームに記録しておきます。付箋や Jira カードを使ってそれぞれのタスクを追跡できます。これには具体的な技術的詳細について議論するために、コードスニペットも組み込んであるのです。

Miro を使って共同でダイアグラムを作成することで問題が視覚化され、チームで共に解決に向けて取り組むことができます。この視覚的な情報の共有がなければ、複数のツールからかき集めたスクリーンショットの画像に頼らざるを得ません。すべての情報をひとつにまとめて整理、アップデートするには、一元化された共有スペースが不可欠なのです。

Miro でダイアグラム作成

当社のソフトウェアチームでは、Miro のダイアグラム作成機能を使って要件を視覚化して確認しながら、複雑なシステムを構築しています。マニュアル作業では手間のかかる技術ダイアグラムの作成も、この機能を使えば時間を節約できます。

モバイルアプリの新機能実装に向けて、アプリケーションの読み込みプロセスの詳細を分析するために、チームでコンポーネント図を作成しました。この図を使って、読み込みの過程でさまざまなコンポーネントがどのように相互に作用するのかを、理解することができました。さらに、アプリがどのように動作するのか、始めから終わりまでその様子を完全に把握するために、アクティビティ図も作成しました。

アクティビティー図は、ログインからメモリ割り当ての問題まで、プロセスの各ステップをマッピングすることができます。アプリケーション読み込みや、公開 Miro ボードへのリンクを開く仕組みについて、明確なイメージをつかむことができました。 

ダイアグラム作成、スクリーンショット、コンポーネント アクティビティーの要素を組み合わせ視覚化することで、技術的な側面を明確に理解し、進捗状況を確認することができました。

ダイアグラムのレイヤー化による変更内容の管理

ダイアグラミングの作業で最も厄介な点の 1 つは、変更内容を示すためにダイアグラムを複製する必要があることです。変更した箇所を見せる、ただそれだけのために図を複製するのは、非効率的で手間もかかります。

そこでこの問題を解決してくれるのが、Miro の新しいレイヤー機能です。同じダイアグラム上で変更案を非表示、表示に切り替えることができ、モバイルアプリの新機能開発プロセスで、変更した内容のデモンストレーションをする時にとても便利でした。この機能で、既存のワークフローに今後どんな変更が加えられるのか、簡単に確認できるようになりました。

テストの実施とフィードバックの収集

ソフトウェアや製品の開発では、テストの実施とフィードバックの収集は非常に重要なプロセスです。

今回ルネーはいくつかのユースケースを選択し Miro AI を使って、チームが見落としていた可能性のあるテストシナリオを生成しました。こうすることで包括的な視点から見直しが可能になり、チームは潜在的な問題を早期発見することができました。

この機能を社内でも公開したところ、あるチームメンバーが、同一の Miro ボード上で使えるフィードバックフレームを作成しました。これは、新機能に関するフィードバックを、テストユーザーがキャンバス上で直接共有することができるというものです。これで、実際のテストデータに基づいた意見を収集し、調整を行うシームレスな仕組みを構築することができました。

機能実装への統一されたアプローチ

ルネーの業務には、すべてを一元化しアクセス可能にする Miro のダイアグラム作成ツールが欠かせません。プロジェクトを通してチーム内の一貫性を維持し、シームレスなコラボレーションをサポートしてくれるツールだからです。 

この機能を使って進捗状況の確認、図形作成工程の追跡、変更の管理を視覚的に把握することで、ルネーのチームは作業中も認識をそろえながら、効率的に新機能を実装することができました。

こちらでその様子をステップごとに詳しくご説明しています。ルネーのビデオをぜひご覧ください。

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