アジャイル開発におけるユーザーストーリーとは?書き方や作成するメリットを解説

ユーザーストーリーについての画像

アジャイル開発に携わっている方ならよく耳にする「ユーザーストーリー」は、 ユーザー(ペルソナ)の情報をチームと共有して、ユーザーの視点から プロダクト・サービスを開発するためのツールです。

ユーザーストーリーでは、ユーザーが「誰であり、どのような目的で、 何を実現したいか」が視覚的なフレームワークに記載されるため、プロジェクトメンバー が同じユーザーのイメージを持ちながら開発プロセスを進めることができます。

この記事では、そんなユーザーストーリーについてや、その書き方、作成するメリットに ついてわかりやすく説明しています。

記事の最後にはユーザーストーリーの作成におすすめのツールやテンプレートも ご紹介しているので、ぜひご確認ください。

それでは、ユーザーストーリーについて見ていきましょう。

ユーザーストーリーとは?

前述でも少し触れたように、ユーザーストーリーは、アジャイル開発で活用されている フレームワークであり、ユーザー(ペルソナ)の情報をチームと共有して、 ユーザーの視点からプロダクト・サービスを開発することに役立つフレームワークです。

プロダクト・サービスの開発には「開発者」と「ユーザー」の2つの立場が存在します。

この2つの立場の認識のギャップを埋めてくれるのがユーザーストーリーです。

開発者側だけのアイデアで開発を進めてしまった場合、必ずユーザーとの認識にズレが 生じます。

そのため、ユーザーストーリーを使う事で、開発側の視点だけでなく、顧客視点を 大事にしたプロダクト開発を進められるようになります。

▼ 関連ページ アジャイル開発とは?メリットから失敗しないコツなどをご紹介

ユーザーストーリーの定義

ユーザーストーリーは、以下の定義にそって作成することで、ユーザーニーズを 的確に捉えたプロダクト・サービスの開発に役立ちます。

  1. 誰がプロダクト・サービスを使うのか

  2. ユーザー(ペルソナ)が何を求めているのか

  3. プロダクト・サービスがユーザーにどのような結果をもたらすのか

これらの定義をユーザーストーリーを通して整理することで、ユーザーが必要している 機能やサービスが洗い出しやすくなり、開発チーム内で議論をスタートできます。

基本的にユーザーストーリーは、プロダクトオーナー、プロジェクトマネージャー、 UXデザイナーなど、より顧客視点で戦略を立てるポジションの人が作成します。

しかし、プロジェクトチーム全体でユーザーストーリーに対してアイデアを 出し合うことで、より多角的にユーザーペルソナに対して理解を深めることができます。

▼ 関連ページ ペルソナとは?事例を使った設定方法や意味を解説

ユーザーストーリーとカスタマージャーニーマップの違い

ユーザーストーリーと同じイメージを持たれがちなのが「カスタマージャーニーマップ」です。

この2つのフレームワークは、ユーザー視点からプロダクト・サービスを 開発するという点では、同じ目的を持っていますが、使用方法に大きな違いがあります。

ユーザーストーリーはプロダクト・サービスの開発前に、ユーザーが取るであろう 特定のフローに対して必要な機能やサービスを洗い出すことを目的としています。

一方で、カスタマージャーニーマップはユーザーの行動や思考、感情を時系列に整理し、 各タッチポイントでの戦略を計画するために使用されるフレームワークです。

そのため、ユーザーストーリーは、ユーザーが利用するプロダクト・サービスの 機能自体に重点を置いている一方で、カスタージャーニーマップは、ユーザーが プロダクト・サービスを購入するまでの全体的なプロセスに重点を置いていると 違いを定義できるでしょう。

▼ 関連ページ カスタマージャーニーマップとは?詳しい作り方や注意点を例を使って解説

ユーザーストーリーを活用するメリット

ユーザーストーリーを活用には、以下のメリットがあります。

  • ユーザー体験の向上

  • コラボレーションの促進

  • プロダクト・サービスの段階的な開発

  • 情報共有に役立つ

  • 認識合わせツールとしても活躍

ここでは、各メリットについてより詳しく見ていきましょう。

ユーザー体験の向上

ユーザーストーリーを通してユーザーに対する理解を深めることで、 ユーザーのニーズに合ったプロダクト・サービスの開発が可能になります。

結果として、ユーザーが体験するプロダクト・サービスの価値も向上します。

コラボレーションの促進

ユーザースートリーを中心にプロジェクトチーム内での議論を展開していくことで、 開発メンバーとプロダクトオーナーは、開発プロセスにビジネス、技術、 ユーザーの異なる視点を反映することができ、より質の高いプロダクト・サービスを チームで開発できるようになります。

プロダクト・サービスの段階的な開発

プロダクト・サービスは、ユーザーストーリー内で対象となるユーザー(ペルソナ)の 情報をもとに段階的に構築されます。

プロダクトを段階的に構築することで、フィードバックを集めながら開発を進めることが でき、よりユーザーのニーズに沿ったプロダクト・サービスを完成させることができます。

情報共有に役立つ

開発プロジェクトでは、さまざまなステークホルダーと常に情報を共有する必要があります。

ユーザーストーリーをオンラインツールなどで共有することで、いつでも簡単に ステークホルダーとプロジェクトについて情報共有できます。

認識合わせツールとしても活躍

プロダクトオーナーと開発メンバーが共同でユーザーストーリーを作成、改善することで 同じに認識を持ってプロダクト・サービスを開発できます。

単なる機能面だけではなく、製品に対するビジョンやビジネス目標など、開発プロセスには さまざまな情報が必要です。

これらの情報をユーザーストーリー内に整理することで、プロジェクトチーム全体で 足並みを揃えて開発を進めることができます。

ユーザーストーリーの書き方

上記では、ユーザーストーリーについてやその書き方をよく知っていただけたと思います。

ここでは、実際にユーザーストーリーをどのようにして作成できるのか見ていきましょう。

1. ペルソナを設定する

実際に開発をスタートする前に、「誰のため」にプロダクト・サービスを開発するのか 定義しましょう。

ペルソナを設定することで、よりユーザーのイメージがしやすくなります。

2. ユーザーニーズを把握する

次にユーザーニーズを明確化するために、開発するプロダクト・サービスがどのように ユーザーに使われるのかや、その目的を定義しましょう。

目的や意図を把握することで、プロダクト・サービスに求められる機能や付加価値が 理解できます。

3. 実現したいユーザー体験について考える

ユーザーストーリーで重要なことは、開発するプロダクト・サービスがどのような 価値を生み出せるのか、ユーザー視点から考えることです。

ユーザーストーリーを通して「ターゲットは誰であり、どのような目的で、 何を実現したいか」を理解し、提供する価値を明確に定義できれば、 次のプロセスも計画しやすくなります。

4. テンプレートに情報を当てはめる

インターネット上には、ユーザーストーリーの作成に役立つテンプレートが 多数提供されています。

ほとんどのものが無料であるため、テンプレートを活用して情報を記入・整理していき、 作成プロセスを効率化しましょう。

ユーザーストーリー作成に役立つテンプレートはこちら →

5. 開発チームと共有する

共有できるユーザーストーリーが完成したら、開発チームと共有しましょう。

フィードバックや議論をユーザーストーリーの情報をもとに深めることで、より多角的に ユーザーストーリーを分析・改善することができ、ユーザー体験の向上にもつながります。

ユーザーストーリーがアジャイル開発に役立つ理由

ユーザーストーリーがアジャイル開発で採用されている理由として「機能要件を 把握することで、スプリントとタスクの計画がしやすくなる」があります。

つまり、各プロジェクトメンバーがユーザーストーリーを通してプロジェクトの要件を 把握することで、スプリントプランニングと優先度の設定がしやすくなり、 タスクの計画もできて一石二鳥ということです。

また、プロジェクトメンバーがどのようなタスクに自分は取り組むべきか明確に 理解することで、高いモチベーションを持ってプロジェクトを進めることもユーザー ストーリーがアジャイル開発で人気の理由でしょう。

▼ 関連ページ スプリントとは?開発プロセスからメリットをすべて解説

まとめ

アジャイル開発に携わっている方ならよく耳にする「ユーザーストーリー」は、 ユーザー(ペルソナ)の情報をチームと共有して、ユーザーの視点から プロダクト・サービスを開発するためのツールです。

開発者側だけのアイデアで開発を進めてしまった場合、ユーザーとの認識にズレが 生じますが、ユーザーストーリーを使う事で、開発側の視点だけでなく、 顧客視点でプロダクト・サービスの開発を進められるようになります。

類似したフレームワークに「カスタマージャーニーマップ」がありますが、 使用や目的の範囲でユーザーストーリーと大きな違いがあります。

ユーザーストーリーは、ユーザーに対する機能要件を明確化することで、スプリントや タスクの計画がしやすくなうるという点からアジャイル開発でも人気のあるツールです。

今後、ユーザーストーリーを作成する際は、ぜひこの記事の内容をご参照ください。

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