ピクトグラムとは? コミュニケーションでの活用例や作成方法を わかりやすく解説

ピクトグラムについての画像

非常口や優先座席など、私たちが日常に訪れるあらゆる場所でピクトグラムを 見つけることができます。

しかし、ピクトグラムについてまだ実際にピンとこない方もいるのではないでしょうか?

この記事では、そんなピクトグラムについてやその歴史、ユニーバサルデザイン としての例、作り方についてご紹介しています。

記事の最後にはピクトグラムのフリー素材が利用できるおすすめのツールについても ご紹介しているので、ぜひご確認ください。

それでは、ピクトグラムについて見ていきましょう。

ピクトグラムとは?

まず、「ピクトグラム」とはそもそも何なのでしょうか?

ピクトグラムとは、言語を使わず、誰でも理解できるデザインで情報を伝えるための イメージやイラストのことを指します。

非常口や優先座席、禁煙マークなど、私たちが日常的に目にするイラストが ピクトグラムの代表的な例です。

このように、ピクトグラムを使うことで、言語として書かなくても、イメージを 通してわかりやすく情報を伝えられるというメリットがあります。

ピクトグラムとアイコンの違い

ピクトグラムと混同されるデザインツールの中にアイコンがあります。

どちらも、言語を使用せず、記号などを用いて情報を伝達するという共通点が 存在しますが、使われるシチュエーションに大きな違いがあります。

通常、ピクトグラムは、交通機関や公的機関、学校などの公共の場で使用される一方で、 アイコンは、ホームページや企業ロゴ、イラストなどで使用されることが多いです。

また、基本的にピクトグラムは、白と黒のモノトーンなデザインを持っていますが、 アイコンではブランドやイメージを強調するための複数の色が活用されることも 異なる特徴の1つです。

ピクトグラムの歴史

現代でも広く活用されるピクトグラムですが、その歴史は 1920 代頃まで さかのぼることができます。

オーストラリアの経済学者であるオットー・ノイラートが、グラフや絵記号などの 図を使って情報を伝達できる「アイソタイプ」を発案したことがピクトグラムの 起源だと言われています。

そして、日本のデザイナーと、美術評論家の勝見勝氏によって現在のピクトグラムの 原型が完成したようです。

身近なところで見つけられるピクトグラム

前述でも少し触れたように、ピクトグラムという言葉にピンとこなくても、 このコミュニケーションツールは、街の至るところで見つけることができます。

以下が、私たちがよく目にするピクトグラムの例です。

  • トイレ

  • 駐車場

  • 禁止

  • 非常口

  • ゴミ箱

また、ピクトグラムは、ただの情報伝達ツールとしての機能だけでなく、 国際的なイベントで共通言語(ユニバーサルデザイン)としての役割も果たします。

以下で、東京五輪(オリンピック)の例を見ていきましょう。

東京五輪(オリンピック)でピクトグラムが使われた背景

1964 年に開催された東京オリンピックでは、さまざまなスポーツ種目や施設で ピクトグラムが使用されました。

このような大規模な国際イベントでピクトグラムが使用された背景には 「言語のギャップを埋めるため」という目的があります。

そのため、日本語を話さない海外の選手が日本の施設を利用した時に混乱を 防ぐためのコミュニケーションツールとして、ピクトグラムが活躍しました。

現在、世界で使われているイラストやイメージもこの東京オリンピックでの ピクトグラムが発端とされています。

そして、2005年に経済産業省が「コミュニケーション支援用絵記号デザイン原則規格」 (JIS TO103)を制定し、2016年にはこのJISに基づいた日本発の国際規格として、 提案ISO 19027(絵記号を使用したコミュニケーション支援用ボードのための デザイン原則)を制定しています。

翌年、2017年にも東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会(2021年開催) に向けて日本規格のJISにおいて国際規格のISOをもとにした調整が行われ、 15種類の新しいピクトグラムとヘルプマークが作成されました。

ピクトグラムを活用するメリット

ピクトグラムを活用する大きなメリットはやはり「共通言語として使用できる」 ということではないでしょうか?

例え言語や年齢などの壁があったとしてもピクトグラムを活用することで、 誰とでも適切なコミュニケーションを取れるようになります。

そのため、トラブルや日常的な障壁を取り除くユニバーサルデザインとして ピクトグラムがバリアフリー推進事業でも活躍しています。

ピクトグラムの作り方

ここまで、ピクトグラムについて詳しく知っていただけたと思います。

それでは、実際にどのようにしてピクトグラムを作れるのか、以下で見ていきましょう。

ピクトグラムを作成するステップは簡単なので、今後ピクトグラムを 独自に作成するということがあれば、こちらの情報をご参照ください。

以下がピクトグラムを作成するステップとなります。

Step 1:伝えたい情報を決める

Step 2:情報をもとに特徴となる記号を見つける

Step 3:できるだけシンプルなデザインで作成

Step 4:複数の人からフィードバックを収集する

Step 5:類似したデザインがないか再度確認!

それでは、以下で各ステップをより詳しく見ていきましょう。

Step 1:伝えたい情報を決める

まずは、ピクトグラムを使って伝えたい情報について考えてみましょう。

文字を使うよりも、イメージの方が伝わりやすいのではないか?ピクトグラムを 作成するための対象となるペルソナは誰か?など、多角的に考えてみましょう。

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Step 2:情報をもとに特徴となる記号を見つける

次に、その情報をイメージとして表現するための特徴的な記号などについて 考えてみましょう。

一般的に捉えられている特徴や最終的に取ってもらいたい行動など、強調する点を 見つけることが重要です。

Step 3:できるだけシンプルなデザインで作成

ピクトグラムは不要な要素が多いと対象となる人に理解されなかったり、 記憶に残りにくいというデメリットがあります。

そのため、ピクトグラムを作成する時は、できるだけシンプルなデザインで作成するように心がけましょう。

このステップは、ピクトグラム作成において最も難しいステップとなりますが、デザインを少し変えるだけで、受けられる印象も大きくなるので、できるだけ時間をかけて、じっくりとアイデアを形にしましょう。

Step 4:複数の人からフィードバックを収集する

自分の頭の中で思ってたイメージと他の人が感じるイメージに齟齬があるということは良くあります。

そのため、作成したピクトグラムを複数の人と共有して、意図した情報が共通で伝わるのかテストすると、誤解やミスコミュニケーションを未然に防ぐことができます。

Step 5:類似したデザインがないか再度確認!

ピクトグラムどうしがあまりにも類似し過ぎている場合、誤解を招いてしまうことがあります。

そのため、一般的なピクトグラムと比較して、作成している新しいピクトグラムが独特の特徴を持っているか再確認するようにしましょう。

まとめ

ピクトグラムは、私たちが日常に訪れるあらゆる場所や国際オリンピックゲームで言語を使わず、誰でも理解できるデザインを通して情報を伝えることに使用されています。

国籍や年齢の違いに関係なく「共通の言語として活躍する」ことから、日本を発端に世界でこのユニバーサルデザインツールが活用されています。

複雑なデザインが必要ではなく、強調したいメッセージや行動をもとにシンプルなデザインで簡単に作れるので、この記事で読んだ情報をもとにオリジナルのピクトグラムを作成してみてください。

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