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組織図とは?作り方や例をまるっと 10 分で解説

組織図についての画像

組織図とは、組織の内部構造を客観的に理解できるように図式化した図のことを指します。

組織図を作成することで、部署・部門間の関係や命令系統・指揮系統を可視化することができるため、組織全体での情報の透明化を図ることができます。

また、組織図は投資者や潜在的な顧客が企業や組織について理解するために、外向けに共有することができる情報ソースとしての役割も果たします。

この記事では、組織図についてや、その種類、組織図がもたらすメリットについてなど、組織図について知って得する情報を広く解説しています。この記事で学んだ知識を組織改革や組織成長の推進に活用しましょう。

また、Miro では組織図作成ツール組織図テンプレートを使って組織の形態やニーズに対応した組織図を自由に作成することが可能です。組織改革や再編成に Miro の組織図を活用しましょう。

組織図とは?

組織図は企業の運営構造を可視化した図のことを指します。1854年にダニエル・マッカラムによって提唱された組織図は、1920年代まで技術業界でよく使用されていました。しかし、現在では多種多様な業界で採用されている図となっています。

組織図は組織内の人事関係や部門の関係、各役職がどのような責任を持っているのかを一目で確認することに非常に役立つ図です。

組織図内ではカードを使用して各従業員を記入します。通常、これらのカードには以下の情報が含まれています。

• 社員名(写真が追加されることもある) • 連絡先情報(電話番号・メールアドレス) • 役職 • 担当部門 • 部門内での役割

これらのカードは線や矢印で結ばれており、各社員が組織のどの階層に位置し、どのように組織の運営に携わっているのかを示しています。

組織図の種類

組織図はさまざまな構造や形式で作成することができます。ここでは、最も一般的なものをいくつか紹介します。

階層型組織図

機能的な階層型組織図(会社組織図)は、組織を階層的に分解した図です。

これは、チャートの頂点に位置する一人のチームメンバー(通常は社長またはCEO)から始まり、会社での役割に応じて他の従業員へとチャートが下がっていく構造をしています。例えば、CEOの下には、営業部長、マーケティング部長、商品管理長がいます。それぞれの部長の下には、その部長の部下となるチームが存在することになります。

そうすることで、会社内の関係を明確化することができ、各社員が自分の役割やプロジェクトに携わっているメンバー、責任者や上司をいつでも確認できるようになります。また、この図は、キャリアアップにおいての道しるべとしても機能し、社員のモチベーションを向上させるツールとしても活躍します。

しかし、このタイプの組織図における課題の1つとしてコミュニケーションのサイロ化が挙げられます。各部門の業務を単体で表現しているため、部門間ごとにどのような依存関係があるのか見ることができません。このようなサイロ化を解消するためには、組織全体で効果的なコミュニケーション方法を採用する必要があります(ここで Miro のようなコラボレーションプラットフォームが活躍します)。

フラット型組織図

フラット型組織図(水平型組織図)には管理職の階層がほとんど存在しません。このタイプの組織構造を採用することにより、そうでない組織と比較して各従業員ごとの権限を最大化することができ、各従業員が重要な意思決定プロセスに直接関与する機会が多くなります。

この形態の組織図では経営陣による影響を軽減することで従業員がより多くの意思決定に関与できるというメリットがありますが、組織の成長に合わせて拡大することが難しい形態であるというデメリットも存在します。

こういった理由から、フラット型組織図は明確な指揮系統を必要としない小規模な組織にとってより効果的な図であると言えるでしょう。成長中の企業や組織では、さまざまな部門の規模が拡大するにつれて、フラット型組織図からトップダウンの階層型組織図に移行することも珍しくありません。

機能別組織図

機能別組織図は階層型組織図をより詳細に分解したような組織図であり、機能や職能ごとにビジネスを編成し、専門性を高めることで生産性を向上するための組織形態を表現した図です。部門は「マーケティング」、「開発」、「営業」、「オフィス所在地」などさまざまな方法で分解することができます。

マーケティング、IT、人事、営業などの各部門は、事業部単体での運営をすることができ、各部門の権限を最適化し、顧客により洗練されたサービスを提供することを可能にします。

このような組織形態は大規模な組織でよく使用されますが、トップダウン構造を持った階層型組織図と同様にサイロ化に悩まされることがしばしばあります。そのため、部門間のコミュニケーションがうまくできなかったり、リソーその重複や使い過ぎとった問題に直面してしまいます。

マトリックス型組織図

マトリックス型組織図とは、一人の従業員に複数の指揮命令系統を持たせることで柔軟にリソースを稼働させることを狙った組織形態を表現した図のことを指します。

マトリックス型組織図は、単純な階層図よりも複雑な構造をしていますが、マネージャーは異なるチームから特定のプロジェクトに従事するリソースを柔軟に稼働することができます。しかし、この場合、キャパシティや特定のプロジェクトに誰が参加できるかという点で、何らかの矛盾が生じる可能性もあります。

最も最適な組織構造とは?

まず、組織図と組織構造の違いを明確にしましょう。

組織図は「人」、組織構造は「機能」に基づいています。

組織構造は企業における各役割の責任や担当領域、権限を示したものです。組織図とは違い、ビジネスの全体的な機能とビジョンに基づいているため、組織構造はそれほど頻繁に更新されません。

ビジネスに最適な組織構造を見つけるには、大きく分けて「機械的組織と「有機的組織」の2つの組織構造に注目する必要があります。

機械的組織構造はトップダウン型の組織構想(例:階層型組織図)であり、部門ごとに従業員の責任や担当領域が明確に設定されています。

有機的組織構造は、より柔軟な組織システム(例:フラット型組織図)のことを示し、従業員のどうしの立場がより並行的で、マネジメント領域が広く、各従業員ごとの権限が最大化されています。

最適な組織構造は、事業主の経理理念によって変化します。従業員に柔軟性と自主性を求めるのであれば、「有機的組織構造」が最適であり、階層構造の中で定義された役割と責任を明確化したい場合は「機械的組織構造」が適しています。

組織図が役立つケース

ここでは、組織図の作成がビジネスに役立つ例をいくつかご紹介します。

1. 指揮系統の明確化

各メンバーが会社のどの階層に所属するのか明確化することができます。そうすることで、誰もが自身の立場や部下を視覚的に確認することができます。

2. 部門間の関係の見える化

部門ごとの連携を明確にし、部門の垣根を越えたコラボレーションを効率化することができます。

3. リソースの最適化

チーム体制や能力に応じて効果的にリソースを配分することができるようになります。

4. 再構築

プロジェクトチームの再編やビジネス全体の再編など、組織図を使うことで、まったく新しいビジネス構造を計画し、マッピングすることができます。

5. 成長戦略の策定

事業の成長に合わせた新規雇用に組織図を活用しましょう。新入社員が必要な部門やその役割の明確化が可能になります。

6. 新入社員の研修

新入社員が入社した際の研修にも組織図が役立ちます。組織の構造や部門のメンバー、上司が誰かなどをビジュアルを用いて説明することができます。

組織図がもたらすメリット

企業は組織図をさまざまな目的で作成します。組織の構造を分析するためや、改善点の発見、従業員にわかりやすく説明するため、部門間のコミュニケーションのサイロ化を解消するためなど、いろいろなシチュエーションでこの図が活躍します。

ここではより詳しく組織図のメリットについて見ていきましょう。

1. 組織構造の理解

組織内の構造をしっかりと理解することが、組織に所属する誰にとってもメリットであることだと言えるでしょう。経営陣にとっては各チームや部門がどのように連携しているのかや、各従業員の役割や責任などを可視化することに役立ちます。従業員にとっては、誰に報告またはコンタクトする必要があるのかや、自身の組織内での立ち位置などを確認することができます。つまり、組織図は組織運営の中で効果的なコミュニケーションを実現し、従業員が一丸となって組織の目標を達成するためのコンパスのような機能をします。

2. 改善領域の特定

組織図は組織運営の中での改善点を特定することにも役立ちます。チームがどのように連携し、どこを改善すればよいかが明らかになり、その情報に基づいて必要な変更を実施することができます。

3. 情報の透明化

組織図は組織やプロジェクトにおけるメンバー全員の役割を明確にするための図です。階層型組織図やフラット型組織図に関わらず、所属するすべての従業員が自身の役割やプロジェクトメンバー、誰に意見を仰ぐべきなのかをこの図を通して知ることができます。

4. コミュニケーションの改善

チームメンバー間や部門間の関係を明確にすることで、組織内でのコミュニケーションの改善を図ることができます。特に部門の枠を越えたプロジェクトやチームでは、特定のトピックによっては誰に連絡を取れば良いか混乱することがあります。そんなシチュエーションにおいて組織図はある種のガイドとして力を発揮します。

組織図を使用するときの注意点

組織図は運営において情報の透明化と構造をもたらしますが、その過程で直面する可能性のある問題も発生します。

頻繁な更新作業が必要

新入社員の参入や人事異動、従業員の入れ替わりなど、組織図は時間の経過とともに常に変化します。組織図は常に最新の状態である必要があり、更新作業にしばしば時間を取られる場合があります。しかし、Miro を使用することにより、このプロセスにかかる時間を大幅に削減することができます。また、クリック&ドラッグなどのシンプルなアクションで組織の情報を簡単に更新することができ、更新した内容は他のメンバーも確認することができます。

機械的な人間関係

組織図には各従業員がどのような協力関係にあるのかや、良好な関係を保てているのかなどが記入されていません。また、マネジメントのスタイルや、すべてのコミュニケーション手段を示すものでもありません。これらの情報はすべて、ビジネスの成功にとって重要なものです。したがって、組織図を作成する際には、この点を考慮に入れるようにしましょう。

全体像の把握が困難

組織図は組織を簡略的に分解した図であるため、各要素の詳細な情報を表現することができません。階層的な特徴が強いため、役職によっては重要性や影響力について誤解を招きかねないこともしばしばあります。より詳細な情報が必要な場合は、会社組織図などより詳細な図を使用することをオススメします。

組織図の作り方

上記では組織図を採用するメリットやデメリット、異なる図の例について知っていただけたと思います。下記では実際に組織図の作り方をいくつかのステップに分けてご紹介いたします。

1. 目的を明確化

まず、何のために図を作成するのか目的を明確化しましょう。従業員が組織の構造を理解するための資料として作成するのか、経営陣が改善点を見出すためのツールとして使用するのか、投資家や主要なステークホルダーに共有してどのようにビジネスを推進させていくのか示すための情報として使用するのかなど、組織図に適切な情報を盛り込み、適切な方法で構成するためには、その目的を知る必要があります。

2. 情報収集

組織図作成の目的を明確にした後は、図の作成を進めるための情報を収集する必要があります。これには、従業員の特定、会社での役割、および担当領域などの情報が含まれます。

3. 組織図のフォーマットを決定する

会社組織に最も適した組織図の形式を選択します。階層的な構造を望むなら「階層型組織図」、一方でより柔軟性があり非階層的な構造での図を作成したいなら「フラット型組織図」がいいでしょう。

4. ニーズに合ったツールを選択

組織図の作成は組織の構造次第で非常に複雑なプロセスとなることがあります。このプロセスをできるだけ効率的なものにするために、自身のニーズに合ったツールを選択することが重要です。例えば、Miro のオンラインホワイトボードでは、チームがオリジナルの組織図を作成するための機能が存在します。ブランド要素をボードに追加したり、ボードをチームのメンバーと共有したり、外部からファイルや画像を アップロードすることができます。

5. 情報を追加

ツールを選択し、すべての情報を収集した後は、すべての従業員をボードに追加していきましょう。必要な情報をすべて目的に合わせて記入していきましょう。例えば、従業員の連絡先や写真を追加できる場合もあれば、名前と役職だけで良い場合もあります。ニーズに合わせて記入する情報を選択しましょう。

6. 部門やチームのグルーピング

チームや部門をグループ化することによって、図に構造を持たせることができます。この方法は使用する組織図によって異なります。上記の「組織図の種類」のセクションを参照して、選択した組織図に基づいて図を編集する方法を学びましょう。

7. 人間関係と指揮系統の確認

チームや部門をグルーピングし、組織図が完成してきたら、チーム内や部門間の関係を明確にしましょう。チームメンバー間の組織内での関係や構造が誰でも理解できるようになります。また部門の枠を越えた関係や管理職間の関係もこの図では明確にすることができます。

8. 組織図の更新

上記でもお話しした通り、組織体制というものは生き物のように常に変化し成長します。新入社員の入社や人事異動、退職などの「移り変わり」が組織内では常に発生します。このような変更が発生するたびに組織図を更新しましょう。

組織図の例

以下の組織図の例をインスピレーションにしてオリジナルの図を作成しましょう。

会社組織図

会社組織図は会社の構造を示すものです。従業員どうしの上下関係や異なる部門がビジネスにおいてどのような関係にあるのか、どのように会社が運営されているのかなどをこの図で確認することができます。

会社組織図は会社組織の再編成や既存の構造を改善したい会社でよく採用されます。また、新入社員にとっては会社について理解し、全体像を把握する上で特に便利な図です。

会社組織図テンプレートを使ってみましょう →

プロジェクト組織図

プロジェクト組織図とは、今後のプロジェクトの人員を検討する際に使用される図です。これにより、プロジェクトマネージャーは、各人の役割、プロジェクトチーム全員の担当領域、所属する上司などを確認することができます。

また、この図はリソースの最適化やプロジェクトの問題を事前に察知することに効果を発揮するツールです。それにより、プロジェクトマネージャーは問題を視覚化し、必要に応じて改善を行うことができます。

プロジェクト組織図をテンプレートを使ってみましょう →

組織再編マップ

組織再編マップは従来の組織図とは少し異なる機能を持ちますが、非常に効果のある図であり、ビジネスを再編成するためのさまざまな活動を可視化することができます。

ビジネスやプロジェクトの再編成をしている場合、この図が活躍します。シナリオを視覚化し、さまざまなステークホルダーをマッピングし、新システムがどのように機能するかを正確に計測することができます。組織再編マップが完成したら、あとは実際に組織を変えるための効果的なアクションを実効していくだけです。

組織再編マップテンプレートを使ってみましょう →

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